鈴木義彦からの2通の手紙(2)

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〔私一人で立案し稼いだ金〕
「私はこの3年間で西と会ったのは、(略)2回きりです。TELも1回、それきりです」
「特に今回、私を陥れるため作り上げた香港での殺人未遂事件は、考えれば考えるほど、頭にきて眠れません。到底許せることではありません。第三者を入れ、ウソだった、作り話だったと判明させなければ、納得がいきません」
「(紀井は)話し合い当日に全ての仕事をほっぽり出して逃亡していますが、私の被害が多方面で非常に大きいということ。また、やり方が非常に卑劣だということ。また、紀井は、国内外の関係者数名に、私が殺人を犯すような人なので、私の所を辞めたと言っています。(略)このような話をされては、私の国内外における仕事の被害も甚大です。許せません。(略)3人が共謀して、私を陥れようとしたのか、疑念を抱いてしまいます」
鈴木は紀井に約束した報酬の1/100も払っていないのに、よく言えると思うほど身勝手な事情を書き連ねている。
「今回の件も話がほとんど漏れており、どちらにしても、西と紀井がいる限り、秘密保持は出来ません。何とか紀井本人を捕まえて、第三者を入れ、キッチリ紀井から本当の事情を全て聞きたいということ」
そして、「合意書」の件になると、
「よく振り返って考えると、何の株を買うとか、どのくらいの数量を買うか等、株に関することで、3者で話し合いをしたことが一度も無いということ。(西と2人でも一度も無い)また、私一人で立案し稼いだ資金を、国内外の移動という、現在もっとも難しいことで、なぜ、一人だけでやらなければいけないのかということ」
「合意書」を交わして、A氏に株価の買い支え資金を出させておきながら、一方でA氏を蚊帳の外のような状態に置いて、情報の遮断を策したのはほかならぬ鈴木自身だった。
「私一人で立案して稼いだ資金」とは、よく言えたもので、宝林株800万株の取得は西の交渉によるもので、その後の取得した宝林株を高値で売り抜けるための買い支え資金はA氏が出した。もし鈴木が立案したと言うのであれば、それは、利益を密かに海外に流出させ、タックスヘイブンのプライベートバンクに隠匿することだったのではないのか。
しかし、鈴木は、こうした独りよがりの理屈を根拠に「私がした約束は、西の脅しと騙し、紀井の裏切りにより、正常な判断を奪われてしたもので、私を拘束するようなものでは有り得ない」と主張することに尽きた。そして、今後の対応を、「私のことをよく理解してくれている青田氏と、弁護士の平林先生に、国内における全ての問題の代理人として全面委任することにしました」と言って、鈴木自身は身を隠す。
「今後、全てが解決するまで、私がこの件で直接話をすることはありませんし、金を払うこともありません」
鈴木が狡猾と思われるのは、A氏だけは自分のことを理解している、とA氏に思わせるような流れを作っていることではないか。それを窺わせているのが、末尾の件である。
「私は、海外での資金作りに最大限、全力投球するつもりです。また、現状それしか出来ません。(海外口座を作ることは検討しておいて下さい)
何とか私のこの真意をよく理解して戴き、世の中の道理に適う形、納得いかない点の解決に協力してもらい、和解金、支払い方法等の再考をお願いします」

A氏は、鈴木の手紙を読み、「この問題は当事者同士で話し合いをしなければ解決しない(代理人や弁護士が同席するのは構わない)」という趣旨の手紙を平林弁護士経由で鈴木に送った。
しかし、鈴木は頑なに代理人を立てることに固執し、自身は姿を現そうとしない。これも鈴木の常套手段に違いない。なお、A氏は鈴木が代理人を何人立てるにしても、鈴木本人が同席しなければ本当のところが分からないから、必ず同席するということを条件にした。

〔不可解な鈴木の手紙〕
2通目の手紙でも鈴木のA氏に対する態度は変わらないように見えた。
「根本的に私は、今回の件は以前に社長に言いましたが、合意書とか、和解書とか、そんなものは関係ないのです。社長には過去たいへんお世話になり、人物的にも魅力を感じ、男としても一目も二目も置いていました。私にはそう思える人物が過去ほとんどいませんでした。それと100歩譲って西がJASのきっかけを作ったということです。JASの件では、双方に資金を渡しているはずです。西が一人だったら、何と言おうが、何をしようがびた一文渡しません。社長が居るからやろうという気持ちを維持しているだけです」

そして、相変わらず紀井を悪者にして、
「話し合いの後、西が紀井に話し、紀井が私の関係者にTELをして、香港の件を含め、今回の件の話をしたことです。海外の資金は自分のものであって、自分のものではありません。関係者には事情を説明して、各方面対応してもらうしかないのです。当然、関係者は、このような件を一人で対応させるようなことはさせません」
と言って「平林先生の力と青田氏がフォローしてくれなければ、完全な形で資金(現金)を受け渡すことは難しいのです。また、私が逃げ隠れするとか、裁判をするとか、話を壊すつもりならば代理人等立てません」と、代理人を立てることの正当性を強調した。だが、鈴木は実際には何年間も逃げ隠れしていた。

もし、鈴木がこの二通の文面にあるように、A氏に対しては「和解書」の履行に努力するという意思があったならば、代理人となった青田、平林の両人は、本当に交渉する現場を作ったに違いない。しかし実際には逆だった。(以下次号)

2019.11.16
     

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