法律の専門家が読み解く 倉持・新井判決の深刻な過ちは何故起きたのか

法律の専門家が読み解く 倉持・新井判決の深刻な過ちは何故起きたのか(1)

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(写真:倉持茂)

倉持茂と新井康弘を被告とする裁判で、東京地裁の一審と二審の裁判官たちが度の過ぎた過ちを冒す判決を下した。特に倉持が主導したとみられる主張の全てが虚偽に満ちていることに疑問さえ持たなかった、と疑われても当然の判決がなぜ下されてしまったのか。改めて法律の専門家が倉持の度の過ぎた悪性を踏まえた判決の誤謬を指摘する。
1 倉持と債権者の関係について
(1)債権者が倉持茂と新井康弘(ガレージZERO)を訴えた訴訟は、25年来の知人である債権者と倉持との間で、専ら倉持から、自動車の寄託や金銭の交付等種々の求めがあり、債権者がこれに応じる中で各種の契約を締結したことに関し、倉持が、平成30年12月に発生した債権者を被害者とする強盗傷人事件の直後から債権者との連絡を断ち、上記契約上の義務も悉く履行をしなかったことから、その解決を求めて行った訴訟である。
債権者は、倉持と知り合って以降、倉持の頼みを断ったことはほぼなく、倉持も周囲に債権者は自分の頼みを断らないと公言するほどであった。他方で倉持は債権者への返済をこれまでもほとんど行っておらず、また契約を含め約束事を悉く反故にしている。
(2)そもそも債権者と倉持とは、青郷氏の紹介で25年以上前に知り合っている。青郷氏は当時自動車販売業を営んでおり、債権者が青郷氏からスーパーカーなどを購入したことがきっかけで面識を得た。このころ倉持は埼玉県内に4か所店舗を持っていたが、債権者がスーパーカーを多数所有していることを誰からか聞いたようで、青郷氏に債権者を紹介してもらいたいと依頼してきた。青郷氏は倉持の素行の悪さから、倉持を債権者に紹介するのには躊躇いがあったとのことであったが、倉持が紹介して欲しいと何回もしつこくせがんできたため、止むを得ず紹介することにした。
この倉持の素行の悪さというのは、例えば、倉持を債権者に紹介する直前に、「埼玉三菱コルト自動車販売」の特販部にいた小川氏と倉持が組んで不当な利益を得ていた件がある。具体的には、小川氏は、会社には無断で、職務上その権限なく、倉持との間で、いつどこのオークション会場にて三菱のどの車輛(何色を何台)を出品して、どの価格にて落札するかを打ち合わせたうえで販売価格100万円以上の車を90万円でオークションに出し、その直後に倉持が入札し、それと同時に小川氏が落札のボタンを押すことで他社と競ることなく安価に売買を成立させ、その後、落札した倉持はその車を95万円とか98万円で転売を行うか、再度オークションに出品して現金化をして利益を出すという手口であった。これは、売上実績を作りたい小川氏と利益を上げたい倉持の利害が一致して行われたものであった。転売先が決まると小川氏は譲渡書や車検証等の必要書類を社内から持ち出して倉持に交付していたが、上記の通り、小川氏にはオークションに車両を出す権限が社内的にはなかった。そのため、小川氏は、その後に会社から訴えられて刑事事件になり、逮捕された。ただし、小川氏と倉持との間でどのような話があったのか不明だが、倉持は小川氏一人に責任を負わせ、自身は逮捕を免れた。倉持は小川氏に「出所した後は面倒を見る」という話をしていたようだが、小川氏が出所しても一切対応せず知らぬ振りを決め込んでいたようであった。
(3) 倉持は、債権者と知り合って早々に、債権者にスーパーカー20台を無償で借り受けることを依頼した。各スーパーカーは購入価格がほとんど1台5000万円以上するような車ばかりだったため、通常であればそれらを無償で貸すことはないが、倉持が、債権者が分かったと言うまで何回もしつこく頼むので債権者は断りきれず、貸出料すら一切取らずに貸し出すこととした。
(4) その後、さらに倉持は、借り受けたスーパーカーのうちの1台(ジャガーXJR15)を自分がレースに使用すると言って2000万円で売って欲しいと債権者に依頼した。同車の購入価格は少なく見積もっても平均で1台1億円は下らないものであったので、当然債権者は当初はこれを断った。しかし、倉持があまりにしつこく何度も何度も依頼してくるため、最終的には根負けして売ってしまった。
そして、倉持は、債権者から極めて廉価でジャガーXJR15を譲り受けることができた途端に、青郷氏には債権者から売買の了解を得ていると嘘をついた上で、勝手に書類を作成して売買手続きを進めようとした。倉持は債権者には自身がレースに使用するためと言っていたが、実際にはジャガーXJR15の希少性からこれが販売できれば大きな利益になると考えて、最初から債権者に嘘をついて譲り受けたものだった。
そして、売買手続きにあたって車検の予備検査をどうしても取得しなければならないので、倉持から力を貸して欲しいと言われた青郷氏は、調布市にあった業者へ話を持って行った。しかし、倉持は、正規の手続きに必要な試験の費用や時間を惜しんでか、試験が不要となるように、債権者の輸入済みのジャガーXJR15について、自らインボイス等を作成し、輸入前のものであるかのように装って業者へ提出した。しかし、業者には、当該の車両が日本に輸入された際の記録が残っていたため、倉持の書類偽造が発覚した。倉持は青郷氏には「自分には既に販売先があり、債権者の了解も取っている」と言って協力させたが、ジャガーXJR15の転売利益を目的とした虚偽の話であった。
(5) このような経緯がありながら、倉持が執拗に依頼してくることもあり、債権者は倉持の頼みごとをほとんど聞いてあげる状態が続いた。
債権者は、会社の代表取締役を務める者であり、同会社は30年以上新宿センタービルに本店事務所を構えていた。入居当時、同ビルの審査は非常に厳しく、社会的信用が高く、また有名企業しか入居ができなかったが、同会社は入居審査をパスしている。また、30年に亘る入居期間中に月550万円の賃料を一度も遅滞することもなく、また、ビルのオーナーからのクレームも一切なかった。
この会社は当時、管轄する税務署管内での高額納税者として複数年に亘り名前が挙がるほど好調な業績を残しており、債権者が倉持を支援するために拠出した金銭の原資はこのころの利益金が主であり、これらは会社内の金庫に現金で保管していたものである。
なお、倉持からは債権者が暴力団関係者と関係があるかのような主張がなされているが、債権者がそのような関係を有していたら、新宿センタービルの入居審査に通らなかっただろうし、また入居後であっても速やかに退去を命じられていたことは想像に難くない。債権者の会社は、債権者が高齢になったために営業を縮小していく中で、賃貸人との関係は極めて良好なまま、平成15年に新宿センタービルから自ら退去したのであり、入居期間中の約30年間、問題は一切なかった。
また、倉持は債権者に会うたびに暴行を受けたと主張するが、債権者と倉持とは25年に及ぶ付き合いがあり、週1回程度は会社や自宅に来ていた。来訪時は倉持の友人も同行しており、暴行などなかったことを明言している。
一度だけ、債権者と倉持との間で口論になり、もみ合いとなって倉持がバランスを崩してキャビネットに頭を打ち、念のために病院に行ったことがあったが、病院から戻った倉持は債権者に「飲みに行きたい」と言って一緒に錦糸町のロシアンクラブに行った。
なお、襲撃事件の直前にはそのクラブの前に襲撃に使われた車がよく止まっていたらしく、債権者は事件後に新宿警察署の刑事から錦糸町によく行くか等と質問された。
今回の裁判で債権者が返還や支払いを求めているのも、そもそもは倉持が依頼してきたのがきっかけであり、倉持は本来そのような依頼ができるような立場ではないにもかかわらず、債権者から物品や金銭を無心し続け、最終的には返済しない言い訳のしようもなくなったために襲撃事件を起こして行方をくらませたのである。
(6) この裁判においても倉持は反論らしい反論をすることができなかった。訴訟提起は令和元年であったが、一審判決は令和5年にようやく出ている。間にコロナ禍における緊急事態宣言があるとはいえ、審理時間は非常に長いものとなっているが、当初は倉持が代理人を選任しながら代理人と協議をしていなかったとみられ、代理人が裁判官に「(倉持と)連絡がつかないため代理人を辞任する」旨を伝えたことから、裁判官が結審して判決を下すとして期日を設定した。ところが、判決当日になって、突然、代理人が弁論の再開を申し出たために、審理が再開されることになった。この間、1年以上が無駄に過ぎてしまった。だが、審理が再開されても、倉持側の書面が一向に提出されない、もしくは提出されても趣旨が不明であったり事実関係が不明瞭な記載しかされていないといった書面ばかりであったために、真っ当な審理が行われたとは言えない状況が続いたためである。裁判官から書面の内容を問われても倉持の代理人弁護士は言葉を濁したり、「本人がそう言っている」とのみ回答するだけで実質的な回答をせず、徒に時間を浪費する結果となった。

2 ジャガー等の自動車の寄託について

(1)債権者は倉持と新井に対して、債権者が所有するジャガー等の高級車合計11台を預けることとなった。これは倉持が以前に債権者から借り受けた車両20台を埼玉県内で経営していた4店舗に展示した際に、各自動車が極めて希少性の高い高級車であり、自社において展示しているのみでも業界内で注目を集めることができるものであったことに目をつけ、自身が行う自動車販売業の広告活動として使えると目を付けたことから、倉持が債権者に対して執拗に依頼した結果であった。なお、この各自動車を保管することとなったため、倉持と新井の元には貸し渡していた期間に国内外から1000件以上の問い合わせがあったとのことであった。
上述した通り、このような希少性の高い車両を保管すること自体が高い広告効果があるため、このような車両を貸し出すにあたっては貸出料を取ることが通常であり、この時貸し出した車両の価値からすれば、その貸出料は月100万円は下らないと言われている。
しかし倉持と新井は手元にそのような現金はなかったため、貸出料の代わりに貸し出される各車両を、借りている期間を利用してレストアすることを対価として借り受けることを提案してきた。貸し出されるジャガーXJR15のような高級車のレストアにかかる費用は高額になることが一般的であるため、債権者としてもそれであればと貸し出してあげることとしたものであった。
(2)しかし、倉持と新井には実際のところジャガーXJR15をレストアするほどの技術はなかったようであり、またそもそもそのような意思があったのかも怪しいものであった。倉持と新井が2年間の預かり保管中に行ったことは、借り受けているうちの一台をバラバラにし、風雨にさらし劣化させ、エンジンルームには雨水を入り込ませて毀損し、さらに部品の一部を紛失(もしくは転売)したことのみであった。また、その他の車両も展示とは名ばかりの劣悪な環境で放置され、レストアされるはずがむしろ状態を悪化させてしまっていた。

(写真:新井と倉持が請け負ったレストアにもかかわらず、廃車同然にした)

車両自体は左記のような状態であったが、倉持は債権者に対してはたびたびレストアのスケジュールを示し、またレストアをすることを約束する書面を差し入れていた。
襲撃事件直後から債権者は倉持と連絡が取れず、また車両を保管し、倉持と共同で「ガレージゼロ」の屋号で自動車販売業を営む新井は債権者に対して「倉持と倉持の付き合いのある暴力団関係者がガラスを割って車を持っていくかもしれないから早く引き上げた方がいい」などと言うため、債権者は自費で各自動車を引き上げざるを得なかったが、預けていた自動車が上記のような状態であったことには驚きを隠せなかった。また、倉持により損壊、毀損された各自動車の補修には、補修を最低限の範囲に限っても、少なくとも2400万円は要する状態であった。
(3)これに対して、裁判所は①倉持らがレストアに要する費用の見積もり取得や確認がされていない、②債権者が1台250万円もするような本格的なものではなかったと述べている、③被告倉持がここで負担合意したレストアとは本来のレストアとは異なると述べている等として、本格的なレストアを行う合意がなされたとは認められない等として上記損害賠償を認めなかった。しかし、この判決は明らかに誤審であり、全く根拠のないものであった。

(写真:倉持が提示したレストアの予定表)

(4)①倉持らがレストアに要する費用の見積もり取得や確認がされていないとする点について
上記の負担合意、特にレストアについては、本件各車両を預かるにあたり、倉持が自らレストアをするから車両を貸してほしいと申し出たものであり、債権者はこの申し入れを受けたものである。本件車両、特にジャガー XJR-15は世界で53台しかないもののうち4台を展示することが可能となり、このような希少性が高い高級車を複数台展示する際には、特に業界内では大きな話題となり、多大な宣伝効果が見込まれることから展示者から所有者に対して貸出料を支払うのが通常である。倉持のレストアをするとの申し出はこの貸出料を金銭で支払うことができないから代わりにレストアするというものであった。
確かにこの時、倉持らがレストアにどの程度かかるのか見積もりを取ってはいないようであるが、それは倉持らが、レストアをしても本件各車両を預かる経済効果との比較において採算があるかを考えるべき問題である。債権者が自らレストアを条件に貸し出すと申し出たのであれば、債権者においてもその対価性を検討する必要があろうが、本件では倉持が申し出ているものであり、債権者としては本件各車両をレストアしてくれるのであれば貸出料との厳密な対価性を求める意向はなかったのである。
そのため、①本件負担合意の際に見積もりの確認等がなされていないことは倉持らにレストアが義務づけられていない理由にはなり得ない。
(5)②債権者が1台250万円もするような本格的なものではなかったと述べていること及び③被告倉持がここで負担合意したレストアとは本来のレストアとは異なると述べていることについて
債権者が1台250万円もするような本格的なものではなかったと述べているとする点については、まさに裁判官が本人の発言を曲解し、事実認定を誤っている点である。
確かに債権者は本人尋問において、裁判官との間で以下のやりとりをしている。
【裁判官】 そうすると結局は、倉持さんたちにやってもらうという風にあなたが思っていたレストアっていうのは、この1台250万とかするようなほどの本格的なものではないっていうことですか。
【債権者】 それではありませんし、できません。
【裁判官】 じゃあそこまでのことをやってもらえるとは思っていなかった。
【債権者】 それは思っていないです。だけどもあんな汚い状態ではないと思っていましたね。ある程度のことはやってくれると思っていました。
という問答を行っている。
しかし、これは債権者において合意当初から倉持らが本格的なレストアをすることを想定していなかったことを意味するものではない。上述の通り、本件負担合意は、倉持から、特段の限定なく、レストアをするから貸してくれと申し出られたものであり、ガレージゼロの商号の下で専門業者として自動車整備業に従事する倉持が「レストアをする」というのであればそれは通常の意味の、本格的なレストアをするということを指すことは明らかである。債権者は、倉持らの技術力から、本格的な高級車整備業者が行うような完璧なレストアまではできないと考えていたために上記のような応答となったが、これを以てレストア自体をしなくてもよいと思っていたと認定することは誤りであることは明らかである。1台250万円でのレストアというのは、債権者が実際に依頼した本格的な業者が行う場合のレストア(ただし、技術料のみ)であるが、倉持らにはそれほどのレストアはなしえないという意味に過ぎない。レストアにも程度があることは倉持も認めるところであり、倉持においても自身で可能な範囲でのレストアを行うという趣旨である。そのため、倉持らには、少なくとも自身で可能な範囲でのレストアを実施する義務は倉持らに存在したものである。
また、倉持らにおいてエンジンを分解した上で組み直すといった内容のレストアを行う意思があったことは書面上も明らかである。倉持が手書きで債権者に交付したものの中には「6月15日 エンジン組立」「6月15日 エンジンルーム」等と記載があり、倉持において表面的な塗装のみならずエンジンを含めたレストアを実施する意向であったことは明らかである。また、本件車両のうち一台は、平成30年11月ころに債権者がガレージゼロを訪れた際には既にバラバラにされており、これは債権者が各車両を引き上げたときも同様であった。倉持はこれについて、順次作業を行っている途中であったと述べるが、このことからも、本件負担合意におけるレストアが「若干の凹損、傷、こすれ等の補修や磨き」に留まるものではないことは明らかである。上記のような対応のみであればバラバラに分解する必要などなかった。
(6)そのため、倉持において本件各車両をレストアする義務があることは明らかであり、裁判所の判断は明らかに誤審であった。

3 車両棄損による損害賠償請求について

(1)新井は、平成29年ころに債権者の所有するFAB マクラーレン スパイダーを預かり保管中、倉持に同車を運転させ、その際倉持は事故を起こし、同車両を棄損した。なお、同事故は、新井が債権者から同車両の車検整備等を依頼されて預かり保管中に、倉持に同業務との関連性がなく、私的に運転させた際に発生したものであった。
本件事故について、新井は、自動車修理業者として預かり保管中に起こした事故であるとしてその管理責任を認め、自らの負担で修理を行うことの他、本件事故により発生する同車に関する評価損を賠償するため、保険会社から本件事故に関して支払われた保険金の全額を債権者に支払うと合意した。
事故の原因に関して、倉持らは、裁判に至ってからはエンジンホースからの火災であり倉持らの過失による事故ではないと供述するが、倉持らが認める通り、本件車両は車検を行うために預けたものであり、債権者は、車検にあたって倉持らにおいて十分な整備を依頼したものであった。それにもかかわらず、エンジンホースの劣化による火災が発生したというのは倉持らの上記整備が不十分であったことに起因するものであって当該事故が倉持らの責任であることには変わりない。
(2)この点について新井は、修理にかかる費用について事後的に見積書を作成しているが、新井らの代理人はこれを裁判所に提出した際には、「当時の見積書のデータはなく、裁判のために作り直した」と述べていた。しかし、新井は本人尋問の際には同見積について平成30年1月7日に作成したと述べ、作成日付を偽った。
また、新井は、保険会社が見に来た際に限度額以上かかることが認定されたものの、「保険会社がもうそんだけ出るんだから、そんだけの金額いくのはどのくらいになるのかなっていう計算」のために見積書を作成したと証言した。上記の話からすれば、見積書の作成は保険会社の担当者が事故車両を確認し、保険金が限度額まで出ることが決まった後となるはずであるが、上記の発言に続く見積書の作成と保険会社の人が見に来たことの前後関係を聞いたところ、新井は「見に来る前か前後くらいです。どっちだかその辺はちょっとわからない、日にちは定かじゃないです」と前後関係は記憶にないといい、さらに、見積書の作成日についても「平成30年1月7日」と述べていたにもかかわらず、ここでは「日づけは定かじゃない」と言を翻していた。
このように新井及びその代理人の発言は矛盾に満ちており虚偽であることは明らかである。
(3) さらに新井は、裁判所において、裁判官から保険契約の内容や振り込みの証票等の提出を指示されたにもかかわらずこれに応じず、そのために保険会社に対する調査嘱託まで行われたが、事故日や契約内容が特定できないことを理由として保険会社からは回答が拒否され、上記特定に関わる情報についても新井は回答しなかった。本件保険契約の内容等については保険金が下りているということ自体は裁判上認めているところであり、一見すれば開示ができない事情はないものと思われる。新井が頑なに開示を拒むのは、保険金支払を求める請求内容と実態が異なる等、開示した場合に新井に何らかの不利益があるためだと思われる。
(4) そもそも本保険金については、平成30年ころには倉持は保険会社からの保険金は500万円になったと話しており、新井は保険は使っていないと話していた(ただし、新井は債権者に対して、電話にて、倉持に保険の話はしないでほしいと言ってきたが、債権者が「今、目の前に倉持がいる」と話したところ、新井はすぐに電話を切ってしまったことがあり、倉持らの間で意思疎通が取れておらず、互いに隠し事があるようであった)。本訴訟提起にあたっては倉持が過去に間違いなく保険金が入っていると話していたことを前提として500万円を請求したが、その後新井が保険金は800万円であったと主張した。もっとも、上述の通り、新井は振込明細すら提出せず、真実保険会社からの入金があったのかすらも明らかにしない。
(5) また、修理内容に関しても、新井は全塗装を行ったと主張するが、債権者がその後に同車両を預けた自動車修理業者でもある業者は、同車両の状況から見て、「ドア付近に修理跡が残っており、明らかに部分塗装」であり、また、全塗装したとしてもマスキング全塗装で100万円以上もかかるようなものではないと述べている。

(写真:倉持が債権者の社員と作成した債務承認書)

上記の通り、新井の本保険金に関する供述は、その内容としても不合理であり、また合理的な理由なく変遷をしているものであって到底信用に足るものではない。
(6)また、倉持は上記賠償について、平成30年11月5日、新井と連名にて書面を差し入れ、事故を起こした当事者として債権者に対して、新井の債務と連帯して債務を承認したものである。
当該債務承認に関し、原判決は倉持が債権者に対して金銭的従属関係にあったとして公序良俗違反(暴利行為)などとするが、そもそも上記「金銭的従属関係」がなぜ成立し、またそれにより本件債務承認をさせたことが公序良俗に反すると判断したのか、判決には一切記載がなく具体的な根拠が全く不明である。この点裁判所は、倉持が上記書面について強迫されたと主張した点についてはそのような事実はないと明確に認めている。書面作成にあたり強迫等の事実はないと認めながら、原判決は「金銭的従属関係」があると根拠なく認定し、債務承認行為が公序良俗違反などと判断するが、このような判断が許されるのであれば高額の債務を負っている者が作成する書面が須らく暴利行為となりかねないほどの暴論である。倉持が本件債務承認に応じたのは、上記の通り、自ら車検を通すために預かっておきながら、十分な検査を行わず、かつ、自身が運転免許を有していないにもかかわらず同車両を運転して事故を起こしたことに対する責任を取るためであり、いわば倉持は本件債務を本来的に負うべき者であった。
そのため、本件債務承認は実質的にも形式的にも公序良俗違反となり得る理由は存在しない。(以下次号)

法律の専門家が読み解く 倉持・新井の深刻な判決の過ちは何故起きたのか(2)

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前号の続編を掲載するが、倉持茂と新井康弘に対する訴訟の、一審及び二審の判決がいかに誤審を重ねた挙句の誤判であるか、十分に理解いただいていると思われるが、さらに検証を重ねる。

1 事業出資金について
(1)平成29年6月頃、債権者は、倉持から、中古車の売買を行う元手となる資金の融通を依頼され、当初、倉持からは元本を保証すること、及び、利益として交付額の10%を支払うことを条件とした提案がなされた。もっとも、債権者としては利益がいくらになるのか分からず、都度確認する手間を省きたいと倉持に伝えたところ、倉持からは、元本保証は変わらず約した上で、利益折半の金員について月100万円を交付することとしたい旨の再提案がなされた。債権者はこれを了承し、上記中古車売買のための資金として金1000万円を預託し、さらにその後、倉持の要望により、1000万円を追加して預託した。この追加の1000万円を預託した平成29年7月24日、倉持は、合計2000万円として預かり書を作成し、また利益交付金として月200万円を交付する旨の記載をして債権者にこれを交付した。金2000万円について「預かりました」と記載しているのは元本を保証することを表すものであり、また「配当金」とは上記利益交付金を指すものである。
なお、倉持が中古車売買を行うにあたり、倉持は以前から新井とともにガレージZEROの商号で中古車販売業等を営んでいたところ、今回の預託金による中古車売買も新井と共に行うものであると説明し、また、実際に購入した車両はガレージZERO内の駐車場にて保管されていた。
(2) その後、倉持らは、債権者から預託された2000万円を用いて仕入れを行い、それらを転売し利益を得ていたようである。倉持らは自主的に毎月債権者に対して在庫報告書を提出してきたものの、販売価格を示すことがほぼなかったため、倉持らがどの程度の利益を得ているのかは不明なままであった。もっとも、倉持からは平成29年10月以降複数回200万円の交付をうけたので、相応の利益が上がっているものと認識していた(ただし、平成30年10月以降は受け取っておらず、倉持も今後持ってくる等と述べるのみであった)。また、在庫報告書によれば、平成30年5月までは常に2500万円~3000万円程度の在庫を有していたことからしても順調に中古車販売が行えていたことが窺われる。
(3) ところが倉持らは、平成30年6月以降、債権者に何ら申し出ることなく、在庫の売却を進めていった。在庫報告書を見てこれに気が付いた債権者は倉持らにその点を質問したが、倉持らは一度清算する、債権者に預託された出資金2000万円は、それを超える利益が十分に出ているので、清算にあたっては全額返還する予定であると述べ、その後も売却を続けた。その結果、在庫報告書記載の残高は平成30年10月31日時点で16,938,730円となり、同年4月末時点(29,838,730円)との差額、すなわち売却により倉持らが取得しているはずの金銭は少なくとも1,300万円以上(ただし、仕入価格ベースでの差額。実際は販売額との差額が利益となるものであり、これを優に超える利益があったはずである)に上っていたものの、債権者には何らの返金もされなかった。
(4) 債権者は在庫が減っていることを心配し、また、これまで書類の取り交わしをしていなかったことから、上記倉持らの提案である、清算にあたって交付した2000万円全額を返還するとの約束を書面で確認したい旨を倉持らに申し入れた。すると、倉持らは、平成30年11月5日、「ガレージZEROで現在お預かりしてる在庫車両代金2000万円を責任を持って在庫管理いたします。(2000万円時価金額をもって保障するものとする)」と記載した書面を連名で持参した。この書面は、平成29年7月24日時点と同じく、金2000万円については「お預かりしてる」と記載し、倉持ら自身が少なくとも元本に相当する2000万円については返還する必要があると記載し、また「2000万円時価金額をもって保障する」とは、債権者から交付を受けた2000万円を元手に得た利益及び在庫分から2000万円を支払うという趣旨のものである。これを受けて、債権者は、同日、平成29年7月24日付元本保証の約定及び上記平成30年11月5日付書面の2000万円の保証により確認された倉持らの2000万円の支払義務を旧債務とし、倉持を主債務者、新井を連帯保証人とする、返済期限の定めのない債務を新債務とする準消費貸借契約を締結し、その旨を表す借用書を作成した。
(5) これについて裁判所は、当初の現金2000万円の交付に関して配当金が事業利益の有無にかかわらず定額とされていることを以て消費貸借契約であったと認定している。
しかし、これが事業資金への出資であるとの意思は当事者間で明確であったことは上記の通りであり、配当金が定額となったのは利益の確認の手間を省き、互いの便宜を図る目的によるものでしかない。配当金の金額の定め方は本質的な問題ではなく、あくまで互いの事務負担を軽減する目的で取られた手段にすぎず、かつ、倉持は月200万円以上の利益が出ることは確実であると話していたため、それを前提として配当金を月額100万円と設定しており、倉持の手元には半分以上の利益が残る、倉持に有利な契約内容であった。現に在庫報告書の在庫残高は着実に増えており、利益を元手として事業を拡大していたことが伺われるものである。
上記の通り、2000万円の交付にあたっては事業資金として利益を折半する合意があり、かつ、倉持に有利な利益配分の合意をしているのであり、金銭の流れ、事業の実体、当事者の意思のいずれをとっても出資金であることは明らかである。
そして、倉持は在庫清算時にも約束していた出資金及び清算に伴う利益配当の交付について未実施なのであるから当該金額相当の支払義務を負うものである。

2 検証もせず一審判決を支持した控訴審
これらの誤審は実質的に一審においてなされたものであるが、控訴審においては実体的な判断をせずに、一審判決を是認するのみであった。その証拠に控訴審は、債権者が控訴審において新たに提出した複数の証拠や陳述書については何ら判決で触れることはなかった。特に陳述書では、倉持が如何に債権者を利用して利益を得て来たか、倉持が債権者に「経済的に従属しており、歯向かうことができない」というような関係でないことを、複数人が具体的な事実を以て述べているのであり、一審判決が前提とする債権者と倉持の関係性が全くの誤りであることが明白になるものであった。
控訴審は、これら陳述書が提出され、証拠として採用されているにもかかわらず、これらを精査しなかったものであり、控訴審としての意義がなかった。

(写真:金銭消費貸借借用証書 倉持はFX取引に失敗してA氏に「助けてください」と泣きつき約18億円の債務を肩代わりしてもらった)

なお、判決が経済的に従属していると判断したのは、倉持がFXの投資に失敗し、資産家への返済ができなくなり債権者に泣きついて立て替えてもらったために約18億円の債務を負ったことが理由とされている。この経緯自体から債権者が倉持を助けただけでそもそも何ら従属的な関係であるとの判断には結びつくものではないことがよく分かるところであり、判決が従属的と判断した理由は不明であるが、倉持はこの債務についても虚偽の理由を述べていた。すなわち、債権者から預かった自動車のコンピュータ部分を破損してしまい、当該コンピュータの補修費用は500万円であった(これ自体は事実である)。倉持は債権者に対する約18億円の債務について、上記FXの立替金債務ではなく、この500万円の債務に利子がついて約18億円にまでなったと裁判上でも証言したのである。裁判所も、このような倉持の暴論については、さすがに正面から認めることはなかったが、一方で経済的に従属する立場にあると認めたことは裁判所が倉持の上記の荒唐無稽な主張を認めるとの同義であった。

3 倉持茂の悪事の数々
倉持が行ってきたことの悪質性及び裁判の不当性については以上記載の通りであるが、まとめて記載すると以下の通りである。
・債権者が倉持と知り合って以降、債権者が倉持の頼みを断ったことはほぼないが、倉持が債権者に返済したことはほとんどない。
・債権者の信用を利用しようとして、倉持は債権者に対して100人以上の人間を紹介した。ただし、倉持が紹介する人間の多くが素性の怪しい人間であり、真っ当な人間2名のみであった。
・倉持は過去にテキ屋のようなこともやっており、高崎での暴力団関係者・反社との付き合いは多い
・襲撃事件(強盗傷人)の教唆。

・暴力団元組長と共謀して債権者の殺害を計画。債権者を気絶させて車に乗せ、埋める穴まで用意していた(証言あり)
・事件直後、会社の人間が誰も事件のことを知らないのに倉持は小杉氏に債権者が事件にあったと話す。
・事件の計画のために前日にモーテルで長時間打ち合わせをした
・公判の証人尋問において、「債権者が傍聴席にいると怖いのでバリケードを設置して欲しい」などと要請して、被害者である債権者の傍聴を妨害した。
・納税義務を怠ったことを主な理由により、経営していた中古車販売店(埼玉県内4店舗)が閉店に追い込まれた。
・わいせつ裏ビデオの販売で逮捕されたことがある
・重度の糖尿病による就労不能を理由とした生活保護の不正受給
・三菱自動車の営業マンと共謀して同社自動車の取り込み詐欺を働いたが、刑事事件化した際には罪を全て営業マンに負わせた。
・10日で1割以上の金利を貪る闇金融(大宮のキャバクラ店長の例)
・闇金融の取り立てで暴力団員を使い強迫強要
・売春の斡旋(主に中古車販売に係るスポンサーを対象)
・青郷氏の紹介で債権者に会った際、債権者に「店舗に展示したい」と言って一台5000万円以上するスーパーカーを20台、無料で借りながら、その後メンテナンスを一切せずに放置するなど、保管・管理を杜撰にしていた。
・FX投資の失敗に伴う資金繰りで債権者に泣きつき、債権者の友人知人から借入をしながら、また債権者から借入先に対して経緯の説明と謝罪を行うよう倉持に諭したが、倉持は借入先との面会の日を3回も決めながら毎回約束を破り、何等の対応もしなかった
・上記FX投資の失敗による返済金を債権者に立て替えてもらった18億円の債務について、倉持が破損させたコンピュータの弁償金500万円が膨らんでできた債務であると主張した。

(写真:倉持が債権者に差し入れた謝罪文)

・債権者へ盗難車と思われるスーパーカー(カウンタック)の売り込み、債権者から購入代金700万円と書類代金150万円をだまし取った。この車は岐阜県内の暴力団から仕入れ、別の車の車体番号を取り付けようとしたものだった。
・債権者へ架空のスーパーカー売買話で購入を持ちかけ、購入代金を詐取しようとした。
・債権者に「妻の美容店(4~5店)や飲食店(焼き肉店やラーメン店等)を開きたい」と言って、事業資金を借りながら事業に係る収支を一切報告せず、返済もしなかった。(事実確認が出来るのは美容店(レセ)1店舗のみ)
・TSビルのテナント事業をする中で、数合わせだけの目的で杜撰な賃貸契約を締結させ、ビル管理会社に多額の損失を与えた。倉持は各契約者の連帯保証をしながら、債務を不履行した。
・TSビルのテナント事業で年末までに10店舗以上を確保すると債権者と約束し、内装や電気設備の新設等の費用を発生させ、約束不履行の場合のペナルティ1500万円の支払を約束したが、店舗をほとんど入れることができず、またペナルティも払わないなど、全て反故にした。
・TSビルの架空の賃貸借契約書を偽造して自治体から不正に助成金を詐取した。
・TSビルの債権者が各テナントに対し提起した訴訟で、倉持は連帯保証責任を免れるために虚偽の陳述書を提出した。「キズナ」(庄子剛)との訴訟では、当初に出した陳述書とは全く逆の内容の陳述書を出して裁判官を騙した。
・「TSビルのオーナー(債権者)は俺の言う事を何でも聞いてくれる」と周囲に吹聴し、ビル最上階のペントハウスに女を連れ込むなど、我が物顔で振る舞っていた。
・債権者から車検・整備で預かったマクラーレンを許可なく勝手に乗り回して火災事故を起こした。倉持と新井は損害賠償の一環でかけていた保険金を全額を払うとしながら、保険金額を偽っていただけでなく支払いを拒んだ。
・倉持にはまともな友人は一人もおらず、誰もが倉持の悪性を知り抜いていて信用もしていないため、父親の葬儀等の冠婚葬祭で香典や祝い金を出したりしたのは債権者のほかにはいなかった。
・裁判で債権者から借り受けたガレージ等の物品の返却を命じられ、債権者から返却を求められているにもかかわらず、一切返却しようとしない。債権者はガレージの返還がないために自身が所有するスーパーカーの保管場所がなく、やむを得ず月15万円かけて業者に保管を依頼している
・マクラーレンの保険金について、平成30年ころには倉持は保険会社からの保険金は500万円になったと話しており、他方新井は保険は使っていないと話していた。ただし、新井は債権者に対して、電話にて、倉持に保険の話はしないでほしいと言ってきたが、債権者が「今目の前に倉持がいる」と話したところ、新井はすぐに電話を切ってしまったことがあった。
・その後新井は訴訟の中で保険金は800万円であったと主張したが、新井は振込明細すら提出せず、真実保険会社からの入金があったのかすらも明らかにしない。
・修理内容に関して、新井は全塗装を行ったと主張していたが、その後、部分塗装であり、どんなにかかっても100万円もかかるものではないことが判明した。
・債権者が所有するJAGAR XJR-15について、貸出料の代わりに完璧にレストアすると約束して貸し出したにもかかわらず、うち一台をバラバラにし、部品を紛失させ、さらには屋外に放置してエンジンに水を入れてしまったため、修復に2000万円以上が掛かる状態にしてしまった。
・債権者と倉持とは25年に及ぶ付き合いがあり、週1回程度会社や自宅に来ていた。来訪時は友人が同行しており、暴行などなかったことを明言している
・一度だけ、債権者と倉持との間で口論になり、もみ合いとなって倉持がバランスを崩してキャビネットに頭を打ったことがあり、念のために病院に行ったことがあったが、病院から戻った倉持は債権者に「飲みに行きたい」と言って一緒に錦糸町のロシアンクラブに行った。なお、襲撃事件の直前にはそのクラブの前に襲撃に使われた車がよく止まっていたらしく、事件後に新宿警察から錦糸町によく行くか等と質問された。
・事業投資として2000万円の出資を受け、清算して利益と共に2000万円も返還すると言って在庫を売却したにもかかわらず、何等返済せずに連絡を絶った。

4 判決の誤りは何故起きたのか
上記の通り、裁判所の判断は全くの誤審であり、かつ、判決文自体が何らの証拠に基づかずに作成されている(そもそも倉持側はまともな証拠を何ら提出できておらず、倉持らの主張を証拠に基づいて理屈付けることは不可能である)。裁判所がこのような判断に至ってしまったのは、債権者と倉持との関係性について大きく曲解したものであり、およそ事実に基づかない判断となっており、到底是認できるものではない。債権者は過去に30件ほどの貸金返還請求訴訟を起こし、ほぼ全てで勝訴してきている人物である。それらの訴訟の中では、本件訴訟と同様に債権者を根拠なく誹謗中傷して債権者の人格や経歴に関わる社会的信用を損なわせ、自らを正当化しようとした主張も多くみられたが、担当した裁判官はそのような主張に惑わされることなく、客観的な証拠に基づいた公正な判断の結果、債権者勝訴の判決を下してきた。本件訴訟における倉持らの誹謗中傷は上記過去の裁判と比較しても度が過ぎているものであったが、今回の一審、二審の両判決では当該誹謗中傷が裁判官の心証に不当に影響し本来あるべき事実認定の過程が著しくゆがめられたものとなってしまった。
これまでに触れた通り、倉持は虚偽の理由をつけて債権者から多額の現金を引き出し、さらに債権者の信用までも利用してきた。債権者は倉持の服装や風ぼうを見て可哀想に思い、助けてあげるつもりで倉持の懇願のほとんどを聞いてあげてきた。債権者は倉持にお金を貸すことで儲ける気など全くなく、お金さえあれば事業がうまくいくのであればそのチャンスを作ってあげたいと考えていた。倉持は債権者のこのような思いにつけ込み、利用するだけ利用した挙句に、虚偽の話のつじつまが合わなくなり、また返済をしない言い訳ができなくなるや、襲撃事件を企て、債権者とその周辺の関係者との一切の連絡を絶ったのである。債権者は25年以上に亘り目をかけてきた倉持にこのような裏切り方をされたことについて憤懣やるかたない思いでいる。本件訴訟はこのような経過の末に行われたものであったが、裁判所は上記の経緯を理解せずに、証拠を見ず、倉持の虚偽の弁明を聞き入れた結果、事実と全く異なる認定・判断を下したものであって、債権者は裁判所からも裏切られた思いである。倉持の悪質性は言うまでもないが、このような悪性の強い人物に対して法的に対処すべき裁判所がこのような理不尽、不合理な判断をするのであれば、裁判所が裁判所たる所以を失わせるようなものである。裁判所は本件判決について真摯に反省し、法の番人としての機能を取り戻す必要がある。(つづく)

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