株取引の利益総額470億円を生み出した手口(3)

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[株価の吊り上げで伊藤忠商事元役員を社長に]

続いて「昭和ゴム」、「ヒラボウ」そして「住倉工業」を取り上げる。西のレポートによると、鈴木は「昭和ゴム」で約40億円、「ヒラボウ」では約20億円、そして「住倉工業」では約3億円の利益を上げたといい、これら3銘柄の株取引でも西田グループとの関係は密接だった。以下、それぞれの銘柄について触れる。

先ずは「昭和ゴム」だが、「これは、鈴木氏及び西田グループとの合同で発行されたユーロ債で、2000年(平成12年)6月、発行金額は11億3000万円(113円/1000万株)だった」という。

「その内、鈴木氏の引き受けた金額はおよそ8億円であり、西田グループがおよそ3億円」だった。鈴木が40億円もの利益を獲得したのは株価が700円前後まで急騰したからで、約6倍の値で売り抜けたことになる。

鈴木は株価を吊り上げるために「IRにおいては私の名前を活用して、伊藤忠商事の元役員を社長に招いて、全面的に株価の吊り上げが行われた結果である」という。

なお、西田グループの“総帥”である西田晴男(故人)については余りにも有名で、いまさら説明など要らないと思うが、同人が手がけた銘柄として有名になったものの過半数は鈴木が巨額の利益を上げて隠匿したとされる銘柄と一致している。また株取引への取り組み方として西田は自らの証券口座だけでなく銀行口座さえ持たずに周辺関係者の口座を使うこと、預金や不動産などの個人資産もほとんど無く、周辺関係者の口座に溜まった潤沢な資金のみだったという点は、そっくり鈴木にも当てはまっている。社債や株式の取得名義人は鈴木がタックスヘイブンに用意した外資を装うペーパーカンパニーであり、株価を高値誘導するのは西や西田グループ、そして取得した株の売りを任された紀井は外資名義で証券金融会社を経由して取引することで鈴木の名前が出ないよう二重三重の煙幕を張る慎重さだった。恐らく鈴木は、株取引で西田の相場作りでの協力を得るだけでなく、その取り組み方すら取り込んだに違いない。西田の“資産”も鈴木が隠しこんでいると言う関係者も少なくない。(以下次号)

2019.11.25
     

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