F1・絵画・競走馬ほか「鶴巻智徳」が夢に賭けた1200億円(7)

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〔森重毅が嘯く「財産は現金100億円」〕

鶴巻智徳のシリーズ(3)で触れたように、債権者に鶴巻を紹介したのが森重毅だったが、この男は自分の債権が焦げ付きそうになると、新たな債権者に「万一返金がないときには責任を持つので」と声をかけ、債務者に貸付をさせた上で森の回収に充てさせるという極めてずる賢く卑劣なやり方を得意とする男である。しかも、森本人の貸金の金利は最低でも月1割取っていたが、新しい債権者は最初から月3%以下の金利を設定し、その後は銀行金利に近かった。しかし森は「競馬では1レースが約2分30秒で結果が出て、売り上げの25%がJRAの利益になる。それを考えると、月に1割は安いもんだ」と比較にもならない理屈を口にしていた。

森重毅は過去10年以上無免許で車を乗り回してきた男で、よく警察の検問や職務質問に引っかからずにきたものだと呆れ返る。恐らくは免許の再発行が適わないような事情があったに違いない。警察と言えば、森は永らく競馬や競輪、さらには野球賭博の「ノミ屋」(勧誘を行った時点で、各々の法律違反になるのみならず、詐欺罪又は賭博罪に問われる)を密かに、しかも多くの大口の客を抱えて行ってきた。過去には警察が取り締まりの対象として場外の投票券売り場にたむろして客を勧誘するノミ屋を摘発していたが、電話を使って客との連絡を密に取っていた胴元に行き着くことは少なかった。そして、インターネットが普及している今は状況が明らかに変わっているという。しかし、10年以上も無免許運転を繰り返し、ノミ行為とウラ金融を業としてやっていれば、いずれは綻びが出るのは間違いない。「森は過去に監禁されたことが2回あって、その度に10億円を支払って開放された。警察には届けることができない裏の事情もあった模様で、詐欺の常習者だし、ノミ行為で荒稼ぎをしていた上に八百長を行っていた」と関係者は言う。

ある関係者によると「森も他の例に漏れず反社会的勢力に関わる人間が背後に控えている。一部にはその人間からさえも年間で10億円に近い利益を吸い上げていると身近の関係者に吹聴しつつ誘い込んで、自分の思い通りにさせようと計画していたと思われる。それだけに森はノミ屋といっても相当にあくどいやり方をしているという噂になっていた」という。

鶴巻に5億5000万円を貸し付けた債権者に対しても、そもそも「二人でそれぞれ1億5000万円を投資しないか」と提案して、債権者と鶴巻が面識を持つ最初のきっかけを作ったのが森であったという。この時、森は鶴巻の会社が1200億円の負債を抱えて破産宣告を受けた事実を債権者には隠していた。森は、恐らくは自己の回収が目的だったに違いない。そして、いざ債権者が資金を鶴巻に渡したとき、森が資金を用意していない事実が判明した。すると、森は「岡田(鶴巻のNo.2)を知人に紹介したら『あいつの話は信用できない』と言われたので投資は止めた」と債権者に言った。債権者は「そうであれば、ちゃんと説明するべきではないか」と質したが、森は言い訳すらできなかったという。その後、債権者にしてみると、なかなか鶴巻から回収できない状況にあったところに、森が債権者に対して「何か忘れていないか?」と尋ねてきたことがあり、債権者が「何ですか?」と聞くと、「(鶴巻への投資の)手数料をもらっていない」と言うが、投資がうまく行けば謝礼もするが、投資話そのものが森による作り話であったとすると、森という人間は詐欺まがいのことを常時やっていたことになる。ちなみに森は債権者に鶴巻智徳の他にも菅沢利治、丹羽志郎など複数の人間を紹介していたが、いずれも債権者から借り入れ(菅沢利治は2億円以上、丹羽志郎は9000万円以上で、他にも井山某等複数いた)をしていながら返済が滞ったままになっており、森は自分の債権を回収するために嘘の話をして彼らを債権者に紹介した責任は取るべきだ。鶴巻の会社が破産していることを知りながら債権者に紹介した森の責任も大きかった。

(写真下:森が紹介した菅沢利治の借用証書)

鶴巻への融資で債権者に重い負担を強いておきながら、「鶴巻を紹介した紹介料を貰っていない」と要求した森に対し、さすがに債権者も怒りを覚え、「森さん、あなた、何を言っているんだ。鶴巻に貸しつけてから、10年以上の間で回収できたのはほんの一部でしかない。それをあなたは分かっているのか。鶴巻に対する債権については、最初の数ヶ月は3%で、その後は銀行金利に近かったが、金利を含めて60億円前後に膨らんでいる。あなたはその責任をどう取る積りなんだ」とたしなめると、森は「いや、そんな積りじゃなかった」と言った後に続けて「金があったら、払いたいが……」と言ったが、実は森はノミ行為の電話番の男には「俺は100億の男と言われている。巷で言う100億円を持っているという人間は、大抵が不動産とか有価証券等の全てを合算しているが、ワシは現金で100億円以上を持っている」という話を何回も豪語していた。

また、森は債権者の人となりについて「社長は、今は金を持っているかもしれないが、いつも人に金を払わせず気前が良いので、いつか貧乏になる。そこへ行くと、俺は現金で100億円はあるからなぁ。土地や高額商品じゃないぞ、現金だからな。俺は社長のようにはならんよ」と周囲に嘯いたという。

数年ほど前に森が債権者を訪ねて来て、「鶴巻さんの件は私にも責任があって何とかしたいが、金が無くて……」とぼやき気味に話を切り出した。そこで、債権者は「森さん、あなたは現金で100億円を持っているそうじゃないか。金がないというのはどういうことか」と質すと、森は口ごもって返事もできなかったという。鶴巻の実情を知っていながら、債権者に鶴巻への投資話を持ちこみ、さらに多額の貸付を発生させた責任を森は債権者の前では何度も認めてきたが、未だ責任を果たす気配すらないという。森は妻を病気で無くし娘が一人いるというが、以前より愛人との間に息子がいる。しかし、前にも触れた通り、ノミ行為の胴元を続けてきた森はいつ警察に摘発されるとも知れず、また、それが現実化した時にどのような事態が待ち受けているか、実感を持っているのだろうか。森は既に高齢で、今後、表には出ないように娘(M)と息子への相続が起きるだろうが、それが上手く隠せるはずはなく、債権者たちが黙過することはないから身辺整理はしておいた方が良いのではないか。第一、税務当局だって見逃すはずはないのだ。鶴巻が死亡してから、すでに10年以上が経つ中で、債権者はようやく森に真摯な対応を迫ることになった。(以下次号)

2019.12.14
     

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