〔Rは報酬を独り占め〕
Rがいかに金に汚いかという実例を挙げる。金澤が会社役員にRを紹介した席では出なかった模様だが、Rはその後、会社役員から顧問料として毎月50万円を受け取っていたという。Rは「他の仕事はせずに専従します」と言っていたが、実際には週に1回くらいしか出社せず、しかも他の仕事の関係で何回も逮捕される事態を起こしていた。それでも会社役員は顧問料を払い続けていた。事情を知る関係者によると「会社役員は、Rの実力や実績が金澤の言う通りであれば、毎月100万円を半年間払っても良いと考えたが、部下から反対の声があって半額にしたようだ。だから日常の経費や2~3件の仕事の成功報酬についてもRの言うままに渡し、領収書も取らなかった」とのことで、Rはそれらの金を直接手渡しで受け取っていたという。しかし、その事実は坂本と金澤には一切知らせることなく独り占めにしていた。それ故にある時、坂本と金澤の2人が「会いたい」という連絡をしてきて、会社役員は「Rも同席しないと良くない」と言って断ったが、繰り返し「会うだけでも」という頼みに根負けして会ってみると、坂本と金澤だけでなく会社役員も知らなかったことが多くあったことに関係者全員が大変に驚き、坂本が陳述書に「会社役員はRから『(問題処理で動く協力者として坂本、金澤、関崎の)3人分の経費で月200万円かかる』と聞いていたらしいが、金澤が代表する形で『経費どころかガソリン代ももらっていない』と答えていた」と記述したほどだった。
また、金澤はRにはまともな実績などないことを知り尽くしていたから、会社役員と次のようなやり取りもしていた。「Rに仕事を頼んでいくらくらい損したかを尋ねると、会社役員ははっきり言わなかったが、家2軒分くらいはあった様子であった。その損害とは、半年くらいで解決できると言っていたのが4年以上も全く解決できず延びたことで予定していた返済ができず、無駄な金利が必要になったってことだそうだ」ということで、坂本はそれも陳述書に書き連ねたのである。Rが「1500万円を貸して欲しい」と言って会社役員から借りる時には「入金待ちの案件があるので」と言っていたが、そのような案件などはなく、Rの作り話だったことが金澤等の話で判明したという。寸借詐欺そのものだった。
金澤と坂本はRが顧問料や経費を独り占めしていた真相を知り、当然のように怒りを隠さず「顧問料の件はビックリしましたよね。貰っていたんですから。我々には一銭も貰っていないなんて言っておきながら、しっかり経費まで貰っているんですからね。呆れますよ」「結局、会社役員の仕事を餌にして『成功報酬で5億円以上入るから』等と言って、軽井沢の井上夫妻を始め周りのみんなから金を借りまくっているんでしょう」などと語ったという。
しかし、倉持も陳述書で述べているように、金澤は周囲にはRの悪事を並べ立てて喋りまくっているのに、いざとなるとRの悪事に加担したり、自分が企てた悪事でRに協力をさせたりしてきた。その点でRと金澤を知る関係者の誰もが「2人は“同じ穴の狢”だ」と言う。Rは毎週金曜日には決まって麻雀賭博に興じていたそうだが、それも昨年8月以降はさっぱり声がかからなくなったという。Rを紹介した金澤自身が逆に責められる場面も多くあったに違いないが、金澤はそれでもRとの関係を断ち切らずにいる。
(写真下:福島(金澤)明彦の陳述書)
金澤の会社(ブルックランズ)で部長を歴任したF氏が同じく陳述書を提出しているが、それによると、「会社役員は金澤(福島)よりRの悪い所業は嫌というほど聞いたし、正直、聞きたくなかったことも沢山あったと言っていた。福島はRのことを百も承知なのに、今後自分の尻拭きをしてもらうために何でもRの言うことを聞いているのだろう。皆さんに迷惑をかけるのを止めて、少しは人間らしくしたらどうかと思う。そのためにも、これだけ陳述内容を変える福島は真実を明かす義務があると思う」と述べたが、金澤の身近にいた人間だからこその的確な指摘であるに違いない。ちなみに、ブルックランズの社員は全額歩合制を取っていたそうだが、金澤は社員が成果を上げても真っ当に報酬を払わなかったため、すぐに辞めることが多く、良いことを言う人は一人もいなかった。金澤の妻万利子の評判も悪すぎた。
金澤やSが会社役員の襲撃事件を事前に知っていたという情報も何件か入っている中でどこまで知らされていたのかは不明だが、会社役員を襲った実行犯のうち一人については、すでに懲役7年という有罪判決が出た。強盗傷害という犯罪行為から見て、この判決は予想外に重く、しかもこの犯人は実は凶器を持たずに会社役員を襲っていたというから、残る主犯に対する判決もおおよそ推測できるだろう。そしてこれら実行犯を教唆したと見られている倉持等には、一番重い刑が待ち受けているのではないかと思われる。なお、会社役員は付き合いの長いある車の業者から「社長、この車(マクラーレン)はブレーキに大問題があり、修理しないで乗ったら非常に危険です」と言われて驚き、よくよく調べてみると、それも倉持がブレーキを操作していた可能性が高いという。このマクラーレンは倉持か倉持の先が修理をしていたからだ。つまり、倉持が会社役員の命を狙っていたのは、この襲撃事件だけではないとの疑念も生じたようだ。
今は、金澤と倉持の関係、そして金澤とRの関係は表向きには親密に推移しているように見えるが、状況が変わってくると金澤がRを罵り、あるいは倉持が金澤を罵るという修羅場が現れるに違いない、と多くの関係者が共通して考えている。
金澤がRとつるんで行ってきた悪事が、詐欺や恐喝に始まり、家賃滞納に伴う立ち退きや寸借などに至るまで、いくら挙げてもキリがないほどネット上に溢れている。そうであれば、倉持が起こした事件がきっかけとなり金澤やR、そして周辺の反社会的勢力にまつわる多くの事件が改めて浮上する可能性は極めて高いのではないか。改めて倉持が何故、金澤を頼ったのか、敵の敵は味方とでも思ったとしても余りに不可解ではあるが、その答は倉持自身の責任の取り方に委ねるとして、次号では倉持や金澤(福島)が群馬でどれほどの悪事を重ねているかについて、さらに具体的に触れる。(以下次号)