金の亡者 名家滅亡への道(3)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

〔Xデー間近か〕
G社長が国税、司法当局から関心の的になってきたのは、これまでに触れてきたが、包囲網も狭まりいよいよ事件としての着手情報が浮上する模様だ。

(写真下:G社長)
下請けいじめで集めた“上納金”を気に入った女性へのプレゼントに使い、あるいはグループ会社の業務上で発生したトラブルで反社会的勢力との調整をするなど日常茶飯という話をこれまでに触れてきたが、上納金を個人的に費消すれば「みなし所得」となるから、税務当局に申告漏れを疑われる。また、暴排条例に抵触した強引な取引が一度でもG社長の周辺で横行していれば、警察だって黙ってはいない。それ故、下請けの憤懣が爆発して関係当局への告発(通報)が起きていたとしても何の不思議もない。発注額をとことん値切り、支払いサイトを延ばせるだけ延ばし、揚げ句には支払代金を担保に系列のファイナンス会社が融資を実行して金利を稼いだり上納金をせしめることでG社長もG社長の会社も潤って黒字を維持するなどという経営を貫いてきたG社長にこそ責任が集中するのは当然だ。その意味では、ようやくG社長が頭を冷やすタイミングが訪れたと言っても良いのではないか。

G社長がそもそも話題になったのは実兄が代表取締役を務めるホールディングカンパニーが株式を公開するにあたって、大株主との間でし烈な主導権争いが起きた7、8年前に遡る。株式の公開で、大株主が「公開価格が余りに安すぎる」と噛みつき、それを受け付けない経営陣に対してTOB(株式公開買い付け)の圧力をかけ、またグループ会社に粉飾決算の疑いがあるとか、真面目で慎重派と言われた経営トップの実兄についても女子社員との噂、情報が週刊誌に流れる中で弟のG社長も注目されたが、実兄はともかくG社長は日頃から“スネに傷”ある身だから、相当に慌てふためいた模様だ。まさに蚤の心臓の典型だが、しかしG社長の愚かさは、ほとぼりが冷めたと勝手に思い込んだのか、女遊びを止めず吝嗇にも磨きをかけるようなことを現在まで続けてきたことにあった。ここに、当局が改めて着手した所以があり、自業自得である。
G社長の“スネの傷”はいくつもあるから、仮に小さなゴシップが一つ弾けただけでも余罪が溢れ返るに違いない。(以下次号)

2020.02.17
     
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

    お問い合わせ