鈴木義彦の処世訓は「詐欺」と「裏切り」(5)

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〔志村化工株大量買い付けで追加証拠金〕

さらに同年9月以降、鈴木が志村化工株を大量に買って欲しいと言って来た。「鈴木に『大丈夫ですか?』と尋ねると、『武内から志村のユーロ債で得た株券を大量にもらうから、一切心配は要らない』と頼んできた」

こうした鈴木のアプローチについては、西も後々になって分かったことだが、必ず何らかの事情が隠されていて、今回はユーロ債割当株の売却をするためであることは西にも想像がついたようだ。案の定、同年11月になると株価が暴落を始め、西は信用取引を活用していたことから、口座に多額の追加証拠金が発生したという。しかし、西には「鈴木から頼まれて購入した」という事情があったとして、「昭和ゴム100万株を鈴木より受け取り、追い証用の担保として差し入れ、解消させた」。

12月に再び鈴木から依頼が入り、「志村化工株の大量購入が可能な会社か人物を紹介して欲しい」という。そしてもしそれが不可能であれば、西の証券口座で志村化工株を取得できないか? という。そこで西は「野村證券出身の阪中氏を介してソフトバンクグループの北尾氏を紹介され、イートレード証券で志村化工株1000万株を信用取引にて購入する旨の了解を取った」という。西は、鈴木と武内から6ヶ月以内に買戻しをする旨の約定書を作成するという話を聞き、実際にも2001年の5月から7月にかけて約定書を預かることが出来たため、安心して株式の大量買付けを行っていたという。(以下次号)

2020.09.08
     

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