財産相続や残土処理ほか多くの架空話で「小野敏雄」は 詐欺横領の常習か(1)

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小野敏雄が会社役員から4000万円を2回、合計8000万円を借り入れたのは今から30年ほど前の平成2年頃の事だった。

(写真:小野敏雄 約束を守らず極めて無責任な人間として、関係者に問題視されている。国学院國學院大學レスリング部の監督というが、OBたちはどこまで小野の実態を承知しているのか)

小野は、何故借り入れが必要なのか、その理由をその時は「一建からの入金が遅れていて、支払いに間に合わないので、どうしても必要なんです。金利は月に1割でお願いできませんか」と懇願したために会社役員は2回とも詳しくは事情を聞かないまま現金を出して小野に貸し付けた。借用書一枚で担保も取らず、金利は年利で15%に抑え、返済の期日が来ても、小野から返済期限の延長を頼まれれば、それにも応じた。会社役員から返済を迫ったことは無かったが、期日に小野に確認することだけはしていた。

会社役員が小野を知ったのは最初に4000万円を貸すことになる1年ほど前のことで、西義輝(当時は内河)の運転手兼雑用として内河が会社役員の会社を訪ねてくるときは決まって小野が車を運転して内河に同行していた。西義輝(内河義輝)については、別稿の鈴木義彦の特集記事で取り上げているので、それを参照して戴くとして、小野は内河が会社役員に事業資金ほかいくつもの案件を持ち込んでは会社役員から借り入れを起こしている場面を知っていたので、会社役員が資産家であり、頼まれれば知人友人に限って融資をし、その際には個人対個人の信頼関係を前提にして借用書だけで担保も取らずに貸してくれるのを目の当たりにしてきた。会社役員が、返済期日が来ても相手の状況に応じて返済を猶予していること等を実感していたようである。それゆえ、会社役員から合計8000万円の融資を受けても、小野はさまざまに理由をつけて返済を繰り延べし、約8年もの間、金利も支払いもしていなかった。
さすがに会社役員も小野への貸付を放置するわけにはいかず、それまでは年利15%で貸していたが、公正証書を作成して遅延損害金年30%にすることにした。その結果、平成10年11月時点で金利を含めた融資額が1億5000万円になったが、小野にはもちろん異論はなく(約1か月ほど前にも、本人が本当は最初は月1割で借りたという話をしていたくらいだ)、改めて公正証書を作成し小野の妻(真理)が連帯保証をした。その後、平成12年に小野は「担保にするもが何もありませんので、何か不測の事態が起きた時のことを考えて保険に入っておきます」と会社役員に言い、保険証券を差し入れてきた。

(写真:債務弁済公正証書 会社役員から借用した8000万円を返済しなかったため年利15%、遅延損害金年30%で計算して債務額を確定する公正証書を作成した)

実は内河が周囲の人間に対して、直接会社役員に電話をかけることも、自分を外して直接会社役員に会うことも禁じていた、ということを会社役員は全く知らない話だったが、小野はそうした内河の指示を無視して会社役員から融資を受けていたことが後になって判明した。ある時、内河が会社役員に「社長、ひょっとして小野に金を貸していませんか?」と尋ねる場面があった。内河が何も言わない会社役員に重ねて「貸しているのなら、もうそれ以上は貸さないでください」とまで理由も言わずに言ったので、会社役員は「小野君に金を貸すか貸さないかは自分の判断でやったことだから責任を感じることは無い」と言うと、内河は小野には気を付けてくださいと言っていた。また小野は会社役員が返済を迫らないことをいいことに一切返済をしないまま、というより無責任にも会社役員が何か言うまでは放置しておこうといったようであった。内河が会社役員に「小野には金を貸さないでください」と言ったのは、恐らく小野が金銭にはルーズな性格であり、内河からも小野に迷惑を被ったことがあったと後日聞いた。

(写真:借用書 平成10年11月に作成した公正証書で確定した1億5000万円の債務を小野は返済しなかった。そのため、平成30年12月末時点で債務は9億円以上になった)

小野が公正証書を作成してから数年後に「300万円を貸してください。何とか助けてください」と言ってきた。この時も金利は月1割でお願いしますと小野は言って、しばらくの間は月に30万円を持参したが、すぐに滞り出した。また、それから数年後には月に金利20万円を払いますと言ったが、これも長くは続かず今年の1月からは一切払っていない。内河が自殺した平成22年以降、小野はごく日常的に会社役員と接触するようになった。特に数年前より貸借のことでよく頼み事をするようになった。
会社役員がこの300万円を貸すに当たっては、「10日で3割の金利だが、(小野が)真面目そうだから2割にしてあげる」と言われて金融業者から借り、10か月くらい金利を払ったと小野が言うので、会社役員は「馬鹿じゃないのか」ときつく叱ったほどだった。小野の金銭に対するルーズさは相変わらずだった。これは小野が会社役員の所に頻繁に顔を出すようになってから分かったことだが、小野には定職がなかったのである。小野自身が起こした会社はあったようだが、どれも中途で経営が行き詰まり、いずれも休眠状態にしてしまうということを繰り返していたようだ。
会社役員に問われるまま小野が語ったところによると、内河との関係は不可解で、内河が、会社役員を始めとして体裁を整えなければならない相手と会う時には必ず小野に声をかけ、運転手として同行させていたといい、内河はいくつもの会社を興してそれぞれ名刺を使い分けていたようだが、小野は表向きには代表者や役員になっていたようだ。時には債権の取り立てのようなことを請け負いながら運転手兼秘書の役目で50万円という破格の報酬を受け取っていたという。つまり、小野には生業というものが一つもなく、唯一のめり込んでいたのがレスリングで、小野は国学院大学を卒業しているが、在学中に所属していたレスリング部との関係を卒業後も深めて、今現在も同部の監督を務めている。どうやらこれが小野にとって唯一の肩書になるようだ。小野は格闘技が好きで、他にシュートボクシングにも関心を持って、これもクラブに加入して役員をしていると小野の友人が語っている。

(写真:借用書 小野は月1割の金利で借用指摘債務も返済を滞らせ、令和2年7月時点で債務は2億円に膨らんでいる)

内河は会社役員から事業資金や投資資金など様々な名目により巨額の借財を残したまま、最後には自殺してしまったが、会社役員には嘘の名目を立てて資金を借り入れ、ギャンブルを始めとする遊興や好みの女への超高額のプレゼントなど好き放題に使っているのを見て、小野は自分も同様に会社役員から資金を引き出そうと考え続けていたようだ。これは小野の知人たちより今回の件で詳しく聞いた。
会社役員から借り入れた合計8000万円について公正証書を作成した後も小野は返済する様子もないどころか、別途に借り入れを会社役員にお願いするようになった。
しかし、会社役員は小野の依頼に対して当初は断っていたが、「月に1割の金利でも構わないので、どうか借り入れできるところを紹介してください」と涙ぐんで懇願を続ける小野に根負けして、会社役員は止む無く知人に連絡を取って、そこから借り入れを起こすことができた。ところが、小野はその返済も滞らせた揚げ句に別途に追加の借り入れをしていた。どのような場面でも会社役員は小野の懇願に応えてきたにもかかわらず、会社役員が小野に代わって知人に頭を下げ返済の時間を猶予してもらうということを何度も繰り返しながら返済してきたと会社役員の関係者は言う。

(写真:小野敏雄の自宅 都内阿佐ヶ谷の閑静な住宅地にある)

小野は確かな返済計画も持たないまま、さまざまに入金予定があるというウソの話を繰り返した。昨年の8月には8000万円融資は間違いないとか沖縄の仕事で2000万円入るとか言っていたが、今年の5月末から7月1日までに約束が何回か延びた。小野が言う過去の事案の中には「今年の5月頃に3億円を受け取る予定になっている」と言って会社役員に協力させようとしたもの(この件については続報で詳しく取り上げるが、大きな事件に発展すると思われる)や、大量の残土の捨て場の話等で何年も引っ張り、間違いありません、確実ですと言っていたが、そのどれもが実現しなかった。と言うより知人との雑談の中で聞いたような話だと思われる。残土業者には多大な迷惑をかけることになった。ただ小野は約束の時間だけは正確に守ったが、それ以外の約束は全てダメと言っても過言ではない。今年の11月末の約束も3~4回変更になり、絶対に間違いないと言っていた小野の話は全て架空であった。詳細は続報で取り上げるが、今年の7月以降には身内の相続財産の分配の話を持ち込んできたが、小野の妻が実家から財産の分配で1億2500万円を受け取ることになったので、そのうち数千万円を会社役員への返済に充てるという。しかし財産分配の予定日が何回か繰り延べされる中で、今度は分配するべき新たな財産が見つかり小野自身も4億5000万円の1/4に当たる1億1250万円を受け取ることになったので、そのほとんどの金額に加えて妻が受け取る同額の分配金の一部を返済に回すことにしますという。妻の実家の財産の分配で夫に権利が生じることは相続法にはないから、何か特別な事情の説明が無い限り小野の話は真に受けられるものではなかったが、小野はその分配金を受け取るのが11月末日なので、同日に会社役員に返済すると約束したのだ。(以下次号)

2020.12.12
     

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