宝石業界で「竹林利治」が今も府中3億円事件の犯人と囁かれる謎(2)

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竹林利治。本誌(令和元年12月19日付)で既報の通り、府中3億円事件の犯人に擬せられたとして宝飾品等の金融の業界ではあまりにもワルで有名な人間だ。竹林が、警視庁の公表した犯人のモンタージュ写真に酷似していただけでなく、宝飾品の業界に入る前にオートバイの修理業をしていた経歴があり、また突然のように金回りが良くなったと周囲から訝られたことが、事件に結び付けられる要因ともなったが、竹林は宝飾品等の金融を業としながら、一方では闇金融や株投機ほか儲かると聞けばなんにでも手を出すようなところがあって、しかも自分の利益を出すために周囲を巻き込んで関係者に損失を出させてもお構いなしというあくどさを持っていることでも名前が知れ渡っていたようである。株投資やゴルフ会員権等、全て元金保証を謳って金を集め、投資家には現株を渡さないというやり方を何十年も続けてきた。金融にしても葬儀に乗り込んで香典を取り上げたり、金目のものは何でも取り上げるほどあくど過ぎるやり方で有名な男だ。

竹林に騙されたある資産家の場合も、竹林に盛んに投資を勧誘されて、「確実に利益を出せます。最低でも元金は保証しますから」と説得されたことで竹林の誘いに応じた。しかし実際には利益が出るどころか損失が大きくなったことから投資金の回収に入ったが、竹林は言を翻し続けた揚げ句に元本から手数料分を取って当資金を資産家に戻すという横着さを見せた。特にゴルフ場の会員権について竹林は勧誘には非常に熱心で、会員権業者まで連れてきて資産家は筑波カントリークラブの会員権10口を始め東相模(現上野原)2口、伊豆ゴルフクラブ1口、富士河口湖カントリークラブ1口などを購入した。しかし、会員権の購入はあくまで投資だから転売益が出なければ意味はなかったが、会員権業者は口約束ばかりで転売は一向に成果が出ず、それどころか元金の保証さえしない事態が起きた。資産家が竹林に会員権業者の紹介者であることや「元本を保証する」と言った責任を果たすよう求めたが、竹林はまともに対応せずに知らぬ存ぜぬを繰り返したのである。会員権業者から資産家を勧誘した手数料を受け取っていた。こんな人間と知り合ったら、普通の人間は全ての財産を騙し取られると思われる。何人にも取材したが、こんな悪党には騙されないように十分注意しなければならない。

そしてまた竹林が資産家に勧めた株式運用の投資案件でも、竹林が「投資した元金は必ず保証するから」という約束をしたので、株投資にはほとんど興味はなかったものの、竹林の言う通りならばリスクはないと考え株の購入に踏みきった。資産家が株式購入を決め資金3億円を竹林に渡して運用を任せることにしたところ、竹林は三洋電機ほか複数の銘柄を提示した中で、実際に運用した資金の多くが三洋電機に振り向けられたようだった。ところが、資産家がいくら竹林に投資した株式の現株を渡して欲しいと言っても、竹林はさまざまな理由をつけて現株を見せることさえせず、電話で竹林に状況を確認したときにも「今は三洋で2億5000万円ほど儲かっている」と答えたので、資産家が売却を指示すると、竹林は自身や仲間との共同歩調を取ってもらわなければ困る、任せた以上は全て任せてほしいと言って売却しなかった。しかし、資産家は竹林の言うままに待ったが、竹林は遂に利益を配当することはなかった。竹林のやり方は、株券を渡すこともなければ現物を見せたことも一度もなかったから詐欺同然であり、しかも高値で売り抜けるために資産家を騙した疑いは濃厚だった。株式の運用投資そのものも嘘でノミ行為を仕掛けた疑いさえ持たざるを得ない手口である。

株投資は約半年ほど続いたが、資産家は竹林に精算を求めた。元金保証が最初からの約束であるため3億円の満額返却を求めたところ、当初は「分かりました」と言った竹林だったが、後日資産家に渡した返済金は2億7000万円だった。竹林は差額の3000万円については明確な説明はなく、ただ「手間がかかったので手数料を戴く」としか言わない。それまでに竹林から勧誘された投資で利益が出ているのならばともかく、それが一切ない中で株投資では三洋株でみすみす約2億5000万円の利益を棒に振ったことで、竹林に大きな不信感を持った資産家は、元金保証の約束を守ることを強く求めたが、一向に埒が明かないために「今日のところは受け取っておくが、残る3000万円の処理をどうするか、近日中に説明して欲しい」と言って竹林の事務所を後にした。

竹林は仕手筋まがいの株式売買を勧める人間の一人で、自分の儲けだけを考えて誘い込んだ相手には損をさせても平然としている。仮に投資を勧誘した資産家に億円単位の損失を与えても平然としているような男だった。竹林の汚いやり方に「知人2人が竹林をどうしても許せないと言っている」というF氏の話が資産家の耳にも聞こえ、不測の事態が起きてはいけないと考えて、F氏に知人2人をなだめてもらったことがあったという。そうした経緯を竹林は知ってか知らずか、人の恨みを買うような利己的な言動を繰り返していたのだ。

竹林はその後、資産家と会うのを避けてきたが、他にも竹林に被害を蒙った人たちが多くいる模様だが、資産家はゴルフ会員権業者とのトラブルや株投資問題等を、元金保証で全責任を持つと言っていたのに解決しようともしない竹林のやり方は詐欺としか言いようがない。金融の取立てでも竹林の冷酷さは際立ち、葬儀の香典も全て集金するようなことを平気でやったという話は有名で、竹林の悪事は底が知れない。それ故にそうした被害者たちの間では、竹林から謝罪がないときには家族や身内に影響が及ぶという現実をどれほど実感しているか、懲らしめる必要があるとまで怒りが噴き出しているという。女子学生にも1か月いくらと決めて援助交際を仕掛けておきながら何カ月もの間1銭も払わないという最悪のクズ人間だ。
「不良関係の人間からも、この男は絶対に許さないと言われているほどだ」という情報が関係者に寄せられているという。(以下次号)

2020.12.30
     

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