「淀屋民則」の負の遺産を引き継ぐ妻の重い責任(2)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

淀屋民則は会社役員への返済を怠ったまま死亡した。その無責任さが妻の美津子に及ぶことを淀屋がどこまで考えていたのか。妻の美津子は債権者の関係者が淀屋の自宅を訪ねた際、どうしていいのか分からず、逆に関係者に今後の対応を尋ねるような始末だった。淀屋が存命中に作成した公正証書には妻美津子が連帯保証しており、淀屋と妻は会社役員に約束した月に1回の面談を繰り返す中で返済する機会はいくらでも作れたはずだが、夫婦ともに履行することは無かっただけでなく、月に1回の面談をいつの間にか反故にしたうえ、数年間は所在を不明にするという無責任な対応を取り続けてきた。しかし、それで問題が解決することなど決して有り得ないのは当然のことである。

(写真:淀屋民則の次男賢二の自宅)

淀屋が死亡しても妻美津子が連帯保証をしている責任は重く、それは子息(長男の忠則、次男の良治、三男の満雄のほか淀屋の先妻との間に生まれた長男秀樹と賢二)にも影響が出るのは止むを得まい。長年にわたって債務の返済を怠った責任の重さを、妻の美津子は今、ようやく認識したようだが、関係者には4人の息子たちに相談すると言っていながら、なかなか言い出せずにいるようだ。しかし、このままずるずると時間を引き延ばしても、返済するべき債務額が膨らみ続け、負担が大きくなるだけだ。しっかりと息子たちに本当の話をして、返済をどうするかについて協議をするしかないと自覚すべきではないか。一人ひとりが自分の置かれている立場を弁えて対応しなければ、いつまでも問題は解決せず父親の債務に苛まれるだけだ。

それにしても、淀屋は何と無責任な人間だろうか。債権者にかけた迷惑は尋常ではなかった。淀屋が仕掛けた営業マンの大量引き抜きのために、債権者の会社は深刻なダメージを受けた。淀屋は引き抜きが発覚しないために、営業マンたちをそれまで通り出社させて朝礼を受けさせ、その後に引き抜いた会社で営業をさせるという極めて姑息な策を弄した。さらに、引き抜きが発覚した後に債権者が引き抜き先の会社を破綻させるまでに追い込むと、平身低頭で謝罪をしたものの、債権者を騙して買わせた古美術品の対価に対する責任で作成した公正証書に基づく債務の返済を怠り続け逃げ回っていたのである。

そうした父親による詐欺まがいの言動や引き抜きにより債権者に多大な迷惑をかけた真相を、妻の美津子は今こそ本当のこととして隠さずに息子たちに話し、そのうえで責任をどういう方法で果たすのか、を話す時なのだ。最近になって、三男満雄の義父が責任(淀屋には4人の子供がいるので1/4)を果たすということを関係者に伝えたようだが、約束の日までに連絡はなかったという。しかしこの機会を失えば、債権が譲渡された時にさらに苛烈な事態が息子たちに及ぶことも、当然息子たちは承知しなければならないが、父親の無責任さが生んだことだから重く受け止めるしかない。(つづく)

2021.06.14
     

SNSでもご購読できます。

    お問い合わせ