《人間は「追い詰められた時に本性を表す」と言われている。自分では自分の本性は解らないが、他人の眼から見れば解る事が多い。鈴木の場合は、人生最大の危機を迎えて追い詰められている時に、A氏に助けられた。その時、「この御恩は一生忘れません」と土下座して感謝の意を表した。これは鈴木の本性ではなかったのか。通常では考えられない事だと思うが、鈴木が裁判で主張したことをどこまでも真実だと言い張るのなら、鈴木は良心の呵責という物を持ち合わせない鬼畜のような奴だ。こんな奴を放置しておくと、世の中に悪党を蔓延らせることになる。品田裁判長は多いに反省し、責任を取らなくてはならない》
《A氏と西を交えた鈴木の金のやり取りは全て現金による手渡しで行われている。鈴木は後々トラブルになる事を恐れて、金融機関を介する事を避け、証拠が残らない方法でA氏から融資を受けていたという念の入れようだ。帳簿の記載や銀行の履歴があれば鈴木の嘘を暴く材料になっていたはずだ》
《株取引の利益は合意書に基づけば、一回ずつ精算しなければならなかったはずで、それを鈴木は二人には無断で海外に流出させ隠匿した。それにもかかわらず、和解後にA氏に送った手紙の中で「稼いだ金を国内外の移動という現在最も難しいことを何故一人でやらなければいけないのか」と自分勝手なことを書いている。合意書にある通り鈴木の取り分はないのに1人で持ち逃げしただけのことではないか。その一方で鈴木は「海外の口座を作ることを検討してください」とか「和解金の支払い方法等の再考をお願いします」と書いているが、これは和解書をちゃんと認めた発言で、裁判でいくら否認しても十分な証拠になっていた。品田裁判長がこうした事実を検証もせず採用しなかったのはおかしい》
《鈴木は、株取引を海外のペーパーカンパニー名義で行い、莫大な利益金をプライベートバンクで管理する事で自分の名前は表に出ることは無いと、油断していると思うが、世界情勢がそうはさせないと思う。世界中がコロナ禍で疲弊しているが、あまり騒ぐと世界恐慌が起る可能性がある事を危惧して各国が控えめなコメントをしている。しかし、コロナ禍で莫大な支援金を放出し、直前にオリンピック、パラリンピックも控えている日本の国庫は空っぽだという事は周知の事実だ。そんな中で、国としては今までの様にオフショア地域の富裕層を税金面で優遇している訳には行かなくなる。すでに、水面下では調査が進んでいて各国から多くの情報が集まっているといわれている。今回は日本も本気でオフショア地域に踏み込まざるを得ないだろう。大企業やその経営者たちは国との談合もあり得るが、鈴木のように犯罪に絡んでいて今まで見逃されていた分、倍返し以上のペナルティが課せられる事になるだろう。五輪後には全ての監督官庁が動いて海外の資産は凍結され、もしくは没収になりかねないといわれている》
《鈴木を巡る裁判の結果を受けて、多くの関係者は「有り得ない判決」と憤りを隠せないでいる。また事件記者の間では誤った判決に対する疑念から裁判記録を精査する者も多くいて、その中で浮上してくるのが巨額の海外資産隠匿に関する疑惑だ。鈴木は当初から海外のタックスヘイヴンに本拠を置くペーパーカンパニーを購入し資金の流入を図っていた。プライベートバンクでの運用利回り等を換算すると今や1000億円を上回ると言われており、その金額に関心が集まっている。そこで当然問われるのが脱税の問題で、関心を寄せているのは記者だけではないのはもちろんだ。鈴木が税務当局からとことん追及される日も近いに違いない》
《鈴木がエフアール社を上場させようとしたのは、株価を高く維持させて創業者利得を得ることと安定的な資金調達をすることにあったようだが、エフアールにはそもそも上場するだけの実績も成長性もなく、粉飾まがいの決算で株価を上昇させられる訳はない。それゆえ鈴木は株価を維持するため、知人の名義を借りて株を買わせて株価を維持しようとしたり、上場前の借金の清算や商品として高額宝石の買取補償とその商品のファイナンス等、鈴木は個人の借入れほか多額の資金を必要とした。エフアール社も鈴木個人も資金繰りに困窮する理由はたくさんあったと言わざるを得ず、場合によって鈴木がエフアールの株式公開で事件になっていた可能性は高い。自己破産や会社の倒産はA氏と西のお陰で免れたが、A氏をとことん裏切り、西を追い詰めた鈴木の罪は重すぎる》(関係者より)
《裁判所と品田裁判長は大失態を犯した。株売買について根拠のない理由で合意書を無効と判断したために、それ以降の審議を辻褄合わせと強引な裁判指揮で鈴木の虚偽の主張を支持せざるを得なくなった。この事は裁判の経緯を検証すれば誰が見ても明らかだ。貸金返還請求においては鈴木のあまりにも酷い虚言があった為に鈴木の主張を一部認めなかったことはあるにしても、西が株取引の利益と言って持参した15億円を鈴木の債務返済金にするという判断はおかし過ぎる。鈴木は、株取扱の審議でも貸金返還請求よりも輪をかけて虚言と捏造を繰り返した。しかし、それにもかかわらず品田裁判長は鈴木の主張を支持した。これは極めて不自然な判定で、A氏側の多くの主張や証拠を強引に排除した結果だった。改これほど不公正な判決は有り得ず再審を行うべきだ》
《鈴木がうまく海外で資産運用し脱税できたとしても、全世界所得課税方式を採用する日本の国税庁から逃れるのは、至難の業と言われ「利益が確定した時点で見つかると思った方がいい」と複数の税理士は言う。相続税の節税にしてもしかりで、被相続人と相続人の双方が共に海外で10年間暮らすというハードルを越えなければならない。富裕層に対する包囲網が狭まっており、日本および世界で節税するのは年々厳しくなっているという》
《志村化工株の相場操縦事件で、東京地検は相当深く鈴木の実態を掴んでいたはずだ。親和銀行の100億円以上の不正融資事件で逮捕起訴され、鈴木は表向きにはエフアールの代表権や保有株の名義も無くしたが、実際には合意書に基づく株取引に関連して、側近の天野裕氏に指示をしてユーロ債の発行や第三者割当増資を実行させるという影響力を行使した。そうした事実を特捜部が知らなかったはずはなく、鈴木が実行した銘柄を丹念に洗い出していれば、鈴木は完全にアウトだったと思われる。西の供述が引き出されれば、特捜部にとってはピンポイントの当たりだったかもしれないが、西から供述が取れないからと言って、鈴木を放置するというのは手抜きではなかったか。その結果、鈴木は利益を独り占めし続け今や1000億円以上を隠匿しているという。特捜部は鈴木に対する捜査のリベンジをする気はないのか》(以下次号)