ダイヤの買い付け代金を持ち逃げ「田邉達夫」の詐欺商法(2)

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債権者がダイヤの買付を何度も依頼した田邉達夫は悪質な詐欺師である。債権者から預かった買付資金1900万円を着服したのが発覚したことで、田邉は債権者に詫びて借用書を作成し、月2%の金利を付けて返済すると約束した。そして、返済できない時には本人が所有する土地を売却して返済に充てるとも言って、権利証等の書類を持参したため、債権者は止むを得ず了解した。ところが、その後、間もなくして田邉は行方をくらませてしまった。おそらく、債権者と同様の被害者が他にも大勢いるのではないかという疑念が持たれるが、役所で住民票を閲覧するなどして田邉の所在がようやく分かった平成30年に債権者は訴訟を提起した。しかし、田邉は法廷には一度も現れず、H31年12月14日に「1900万円及びこれに対する平成26年9月1日から支払済迄年5%の割合による金員を支払え」という判決が下された。しかし、田邉は非常識にも一切債権者の前に姿を現さず、さらに住所地を転々とするなど、極めて無責任な対応を取り続けている。田邉が負うべき債務総額は約2500万円に上っている。
債権者が田邉と知り合ったのは約30年も前になるが、ダイヤモンドを盛んに売り込みに来る田邉は商売熱心で、債権者が依頼したダイヤの買付でも問題を起こさなかったため、債権者は田邉を信用したが、それが田邉の常習的な詐欺の手口だったのだろう。

関係者の調査によれば、田邉は家族とも離れて身を隠すような生活を続けているようだと言うが、いつまでもそんなことが続けられる訳はない。
とはいえ、債権者も時間が経過する中で、債権を第三者に譲渡することも視野に入れているようで、そうなれば、田邉だけではなく妻や2人の子供、さらには身内全体にも深刻な影響が出るのは間違いないところだ。そういう事態を田邉が自ら招いていることを、どこまで自覚しているのか。田邉が逃げ回っている間に債務はどんどん膨らみ、それが家族や身内全員に重くのしかかっていくことになる。債権者が刑事告訴をしなかった恩情を仇で返す行為は絶対に許されることではない。(つづく)

2021.10.06
     

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