《鈴木はA氏を欺くために、西を利用してA氏の気持ちを和らげ、警戒心を解いた。そして西からA氏の人となりをそれとなく聞き出したのではないか。ここまでは詐欺を働くための舞台づくりだった。これは詐欺師として高等技術らしい。そして本性を露にして裏切るのである。このやり方は詐欺師の中でも一番悪辣なやり方だと言われているようだ。鈴木の頭の中は他人を騙して、己の金欲を満足させる事が一種の快感となっているのではないのか。まるで罪の意識などないかのように振舞っている。恐ろしい感覚の持主だと思う。この鈴木の悪事を止めないと、今後も悲惨な被害者が増える事になる。もうそろそろ地獄に堕とさないと世の中の為にならない》
《今回の裁判において敗訴を招いた原因は色々考えられるが、何といっても品田裁判長による理不尽な采配に尽きるといえるだろう。どんなに有力な証人や証拠が揃っていても、それを審議して裁定を下す裁判官がまともな判断が出来なければ公明正大な判決は望めない。今回の結果は誰が見ても不審な点が散見される不当判決に他ならない》
《鈴木が今、見ている世界はバラ色なのか。いや、そうではないはずだ。毎日毎日、自分のしでかした犯罪が露見しないかと怯え、それでも周囲には強気の構えを見せ続けなくてはならない。誰か裏切っている奴がいるのではないかと気を張り目を凝らしても、安心できない。いつ司法や国税が来るか分からず、周りの目を気にし過ぎてしまう。隠しこんだ資産を見つけられないために、あらゆる手段を講じているが、それも心配が尽きない。何から何まで鈴木に襲いかかろうとしているかのように見える。鈴木よ、どうするべきかは分かっているはずだ》
《人は、他人の権利を尊重することを人道と言い、それに反して野蛮な行為は利己主義な行為と言う。鈴木は悪い人間の見本のような奴だ。辞書を引くと詐欺とは「いつわりあざむくこと」とかいてあり、欺瞞とは「あざむきだますこと」と書いてある。そして外国には「欺瞞に対する最高の防御は詐欺なり」という諺がある。鈴木を懲らしめるには鈴木を騙して酷い目に合わせる方法が一番かも知れない》
《上代が45億円もする超高級時計13本を4億円で販売委託をA氏から受けて、西は鈴木になんと説明をしたのか。鈴木は恩知らずにも知人の資産家に1セット10億円のペア時計を3セットを持ち込んで6億円を借り出しながら、A氏には報告もせず支払もしなかった。西もA氏には報告していない。2人で分けたのか。2人のこうしたA氏への対応が株取引ではさらに増幅して西がA氏を裏切ることになった。15億円はとんでもない大金だったが、それを株取引の利益と言って見せ金に使い、その後も本当の話を一切しなくなった。鈴木はこの辺りで心底反省してA氏に謝罪するべきだ》
《元を正せば西も鈴木みたいな、とんでもない人間と知り合ったものだ。ただ、鈴木の余りにも強かな悪党ぶりから考えられるのは、西と偶然知り合ったかの様に見せかけて、A氏という資産家の身近にいた存在であったから、必然的に近づいてきたのではないかという疑いも生じる。「事実は小説より奇なり」で考えられない事ではない。最近の詐欺事件での騙す手口は奥が深い。今回がそうであるかは別として、手が混んでいるのは間違いない》
《裁判で、裁判官が被告の犯行が悪質だったり、被害者の事に配慮しない言動が見られたりすると、法廷で声を張り上げる事があり、被害者を守る為、被告人の覚醒や立ち直りを促す役割をあえて演じる事があるらしいが、品田裁判長からは想像もできない。刑事であろうと民事であろうと、裁判官には己の感情を素直に出せる機会があってもいいのではないか。意味のない制度を撤廃して難しい言葉を使わず解りやすい裁判が一番だ》
《今回の鈴木の裁判は原告側が当然勝訴するだろうと思われていたが、予想に反した結果に関係者達は愕然とさせられた事だろう。品田裁判長の裁定は理不尽極まりない。何をどう間違えればこんな判決に至るのか、誰にも理解出来ないだろう。これは裁判官の誤審、誤判という事で片付けられる問題ではない。再審の場を設けて真実の追及が必然だ。裁判所の威信をかける問題だと思う》
《裁判では裁判長が2回も変わり、品田は3人目だったというが、時間がかかり過ぎだという上層部の判断で裁判長が変わったとすれば、品田は相当にきつい指示を受けていたことが想像される。控訴審が非常に短時間で結審して、しかも判決が品田判決を丸ごと支持していることからも、それは窺える。上層部は何を理由に裁判の終結を急がせたのか。それをすんなりと受け入れた品田には、もはや裁判官としての誇りも感じられず、自ら下した不当判決に何の反省も見られない》(以下次号)