人材派遣を業とする「CHEER」(平塚ひかる代表)がインターネット上で展開するトップインタビューの「情熱社長」に後藤悟志太平エンジニアリング社長のインタビュー記事が掲載され続けている問題で、本誌はこれまで2回にわたって、掲載の諾否を検討すべきではないか、という問題の指摘を行った。それが、度の過ぎた干渉、信用毀損には当たらないとするのは、後藤氏に向けられている疑惑が単なるスキャンダルではなく、常習賭博や脱税など深刻な刑事事件に発展する可能性が高いという問題があるからだ。
すでに繰り返し伝えているように、本誌が最初に後藤氏の疑惑を報じた令和元年11月以降、後藤氏自身が本誌に対して一度も抗議、反論もせず、また、何らかの法的措置を講ずることもして来なかったことは、非常に重要な事実と捉えるべきで、後藤氏が本誌の疑惑追及を事実、真実であると認めているに等しい対応だ。
それにもかかわらず、「情熱社長」のサイトは、従前と変わりなく後藤氏のインタビュー記事を掲載し続け、無視を決め込んでいることが、あまりにも不可解でならない。サイトを運営するCHEERという会社は、代表者の平塚ひかる氏が2020年に立ち上げた、まだ新進の会社のようで、平塚氏も新卒直後からトップセールスを誇ってきたキャリアで独立を果たしたことを同社のHPで謳っているが、企業に求められるコンプライアンスに関して言えば、あまりにも無定見すぎるのではないかとさえ疑念を持ってしまう。
実は、後藤氏の実態を暴露した小野敏雄という詐欺師を取り上げたYouTubeの動画が公開からしばらくして非公開扱いになった。主宰するYouTube側では動画を削除したのではなく、一般の視聴者が閲覧できないように回線を遮断したことによるものだが、その理由をYouTubeでは「名誉毀損」としてしか公表しておらず、他に一切の情報がない。しかし、前述したとおり、動画自体には何ら制限がかかっていないという、非常に中途半端な状況に置かれている。その原因、つまり名誉棄損に当たる情報がこの動画に含まれているとの告発(?)が行われたことで、動画が非公開扱いになったようである。誰が小野を告訴しているのかは不明だが、小野であれば有り得ることだ。しかし、動画を公開したチャンネルにすれば大変な迷惑であろう。
動画の何が名誉毀損に抵触しているのか、YouTube側がその理由さえ明かさないことも不可解だが、誰が告発したのかという疑念も解消されない中で、動画を公開しているチャンネル側では、あくまで推測ではあるが、後藤氏に関わる常習賭博や脱税に関わる情報が要因ではないか、との疑念が強まり、調査の一環でCHEER及び平塚氏にも聞き取りを行ったという。ところが、平塚氏は完全無視を決め込み、一切対応していないというのだ。それは余りにも傲慢というほかない。曲がりなりにも、尋ねていることに対して答えられないのなら、その旨を通知すればいいことであり、一切対応せずに無視するというのは社会的な礼儀に反することではないか。平塚氏の対応は、まさに後藤氏と同じである。つまり、YouTubeに告発したことを事実上認めていると解釈しても構わないと言っているようなものだ。
チャンネル関係者によれば、平塚氏に対しては書面やメールを介して何回か尋ね、またスタッフがCHEERの会社を訪ねて回答を求めるなどしたが、応対した同社の社員が必ず平塚氏に訪問の趣旨を伝えるとともに、従前に送られた書面を見ていない可能性もあるので、改めて書面を戴ければ必ず本人に渡してご連絡をするように致しますと、これは真摯な対応だったことから、何らかの回答があるものと思っていたら、今に至るも無視し続けているという。これは傲慢を通り越してチャンネル登録者を蔑ろにしている話だ。平塚氏は新卒ですぐにトップセールスのキャリアを積んだと誇っているようだが、ただビジネスに対する強かさしか持たず、人としての社会経験を全く積んでいないのではないかとさえ思われる。
繰り返すまでもないことだが、後藤氏に係る情報に間違いはない。それを調べもしないでトップインタビューを掲載し続ける「情熱社長」は改めて対応を検討すべきなのだ。そして、もし告発したことが事実であれば、それもしっかり調査し直して、告発の是非を自らに問い直すべきではないか。(つづく)