最上級車販売の老舗「コーンズ」のビジネスセンスを顧客・カーマニアはどう思うか

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ロールスロイスやベントレー、フェラーリ、ランボルギーニなどハイエンドブランド(最上級)と呼ばれる車からスーパーカーの販売、メンテナンスを行っているコーンズは160年の歴史を誇る老舗だが、同社社員の顧客に対する姿勢に疑問を感じているという数件の投稿が以前より寄せられていたが、この疑念にコーンズは真摯に応えるべきだという趣旨から取り挙げることにした。顧客が感じている不満や批判とは、同社のメンテナンスの料金が高いだけでなく、修理が完了した後に問題があってもクレームも受け付けないことにあるようだ。最初の見積もりと大幅に違う時には事前に報告することは当然であるが、それもしないことがあるようだ。

(写真:コーンズ本社ビル)

最上級の商品を扱うには、顧客に対してもそれなりの振る舞いが求められて当然だが、今回取り上げる「向山」という役職の社員は大きな勘違いをしているように思われる。
3年ほど前に、顧客が愛用車のうちの1台であるエンツォフェラーリの、全ての点検をコーンズにお願いして、これには1年ほどかかったが、その後、車検は取ったが一度も乗らないままでいたところで、今回、バッテリーとガソリンを交換して乗ろうとしたら、エンジンがかかりづらかったので、コーンズ(向山氏)から車検の案内が来ていたことを思い出した顧客が電話をかけると、少し待たされ、受付の者が「向山は来客のため、折り返します」と言うので、一旦電話を切り待っていたが、30分以上も待たされた揚げ句に、長らくお待たせしましたという言葉など一切なく「向山ですが」という一言だった。それが顧客への対応なのかと思った。
顧客が、車検の案内が来ていた事を告げた後、エンジンがかかりづらいことに加えてギアにも不具合があるので、どうしましょうかと言うと、向山氏は一度は「車を引き取りに伺います」と言ったが、その後「部長に相談します」と言い換えたのである。それで、顧客が「取りに来てくれるのですね」と念を押すと、再び「部長に相談してから」と言いつつ「以前の事は終わっていますよね」と、まるで顧客に対して以前のことは自分のミスではないというような言い方に変わった。顧客は向山氏が何を言いたかったのか、瞬間、分からなかったが、確かに前回のことは終わったことではあるが、向山氏に一切責任が無いことではなかったはずだ。

前回のメンテナンスチェックでも1回目の納車直後に上野周辺で停車した後にエンジンがかからなくなり、その後の修理でエンジンはかかるようになったが、それでも顧客は不安もあってその後は乗車を控えていたのだが、今回、バッテリーやガソリンを換えて乗ってみることにしたところ、やはりエンジンがかかりにくくギアも入りにくかった。走行距離を見れば分かる通り一度も走っていないので、コーンズにはできればクレームでやってもらいたいという気持ちもあったが、どうしてもということではなかった。しかし、向山氏はそのことを気にしてか、「前のことは終わっています」と釘を刺すような言い方をしたのかも知れない。顧客はどうしてもクレームでとは言っていないのに、向山氏が自分の以前のミスを全く考えないで、一方的な言い方をしたことには本当に呆れた。この電話での応対を見ても分かるように向山氏には不親切というか誠実さを感じなかった。
前回のメンテナンスでは、エンジン周りの片方の修理で130万円くらい、左右両方でも160万円くらいでできると、車を搬入した2人の業者に向山氏が告げたようだったが、その後、約1年近く預けていた間にどのような修理をするのかという中間報告もないまま600万円の請求が顧客に届いた。どの整備工場でも、作業の状況や経過を顧客に知らせるために写真に撮るなりして作業内容の説明をするものだが、向山氏は一切しなかったので、いきなり600万円を請求されたのには顧客も呆れる以上に多少の憤りをもって向山氏に抗議した。すると、向山氏は「自分には決裁権限がないので、部長に相談します」と言って、後日、向山氏と上司の部長、顧客と顧客の友人の4人で会うことになった。そこで顧客の趣旨を知った上司が向山氏の非を認め、請求額を100万円値引きする提案をしたのである。さすがにコーンズの部長というだけあって、金額的には満足とは言えなかったが、常識的であって正しい判断ができる人だと思ったので、顧客は承知した。最初から部長のような人が対応してくれていれば、顧客がこれほど不快感を持つようなことにはならなかったに違いない、と顧客が思うほど、部長と向山氏とでは大きすぎる差があり、もし向山氏のような対応をする社員が他にもいれば、コーンズの信用はガタ落ちになるだろうと思ったようだ。
顧客はその後、メンテナンスは終えたが、相変わらずエンジンがかかりづらいエンツォフェラーリに乗る気がなくなり別の車に乗ることにし、駐車場に置いたままにしていた。ちなみに、同社が顧客に送った注文確認書(平成31年3月6日付 見積書)には「領収済」の印が捺されており、これを見ても手続きが大きく前後していることが分かる。顧客が費用を支払った後に見積書や請求書が送られるというのは、手順の前後で済ませられることではない。全体をチェックして、不具合のある所を一通り修理して欲しいとお願いすると、「エンジンの片方130万円ほど、両方であれば160万円くらいはかかります」と言い、さらに「修理期間を長くして戴ければ安い部品が見つかります」と言ったことに応えて1年近くも預けた間にほとんど報告もないままで、実際の請求額が600万円だったら、誰だって憤るのは当然だ。もっとも、これについては顧客も部長との協議により了解したことだが、その後、メーターを見れば分かる通り乗っていないのに不具合が生じれば、クレームでのメンテナンス処理はどの整備工場でも当然するところが多いと思っていたが、顧客は他にも多くのスーパーカーを保有していて、車によって違う修理工場に入れており、試乗する時はまちまちだが、問題があればクレームで対応するところが多いので、クレームに固執した訳ではなかったが、向山氏の対応は明らかに他とは違っていた。
フェラーリの整備について、取り敢えず車を引き取りに来てもらえるのかと言う顧客に「いや、部長に相談してから」と向山氏が言い出したことで、顧客も怒りを露にして、「どういうことですか? そちらで整備をしてもらった後、一度も乗っていなかったが、今回、エンジンがかかりにくくギアも入りにくいので、そちらで診て欲しいと思っていた。それだけのことで何故、上司に相談すると強調するのは、顧客をクレーマー扱いしているように思った。オーナーはエンツォフェラーリ以上の車も数台、他にもスーパーカーを何台も所有しており、一時はランボルギーニだけでも数十台以上持っていたカーマニアです。これまで40年以上もスーパーカーに乗っているが、このようなことは過去に一度しかなかった」と、まるで自分の都合で客を選別するような応対をする向山氏に多少は声を荒げる事にもなったが、向山氏の対応を見れば、それも当然だったろう。しかし、向山氏は態度を改める訳でもなく、同じ言葉を繰り返した。それで、顧客は「もう、いい」と言って電話を切ってしまった。顧客に納得できる説明をするべきではないかと思うのは当然である。こうした顧客の不満や怒りを、コーンズが放置することはないだろうが、早急な対処が求められている。

1861年に横浜でフレデリック・コーンズがパートナーと創業し、昨年160周年を迎えた同社は、当初は絹と緑茶を輸出する貿易会社としてスタートしたが、今や、「先進性と高品質を企業理念に掲げ、自動車、一般消費財、アパレル、企業保険、海図、検査・海損、エレクトロニクス、産業機材と多岐にわたる様々な事業を展開しています」(同社HPより)を謳う老舗企業になっている。しかし、事業として取り扱っている商品がハイエンドブランドであっても、勤める社員が向山氏のようであれば、誰もコーンズという会社を信用しない、どころか扱っている商品にも最上級の価値を実感しないだろう。どれほど成長性を誇っても、社員教育がなっていなければ、企業は衰退することを忘れてはいけない。

2022.05.25
     

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