〖鈴木は生きていくには十分すぎる資金を手にしているようだが、全て自分の物だと考えているなら、それは大間違いだ。鈴木のこれからの人生がどれぐらい続くかは誰にも解らないが、自分の欲望のために世間を敵に回してここまで沈黙を通そうとしている理由が分からない。A氏も約束違反を理由に全部の資産を寄こせとは言わないだろう〗
《A氏は西から鈴木の窮状を助けてやって欲しいと頼まれ、鈴木と会った。その時の鈴木は、個人も会社も最悪の状態だった。10日で1割以上という高利の借金に苦しんでいて、このままでは破綻が目に見えていた。A氏は鈴木への援助を承諾した。鈴木には担保もなく保証人になってくれる知人、友人もいなかった。それで紹介者の西が保証人になった。A氏はFRの約束手形を借用書代わりに預かる事になったが、形だけのもので、手形は期日が来ても取り立てに出さなでほしいという鈴木の懇願も受け入れた。A氏は金融業者としてではなく、あくまでも好意で鈴木に融資をした。担保も無く、保証人もいない鈴木にとっては考えられない好条件での融資だった。西は「お願い」という表題の書類を鈴木の代わりに差し入れたが、そこには通常ではあり得ない条件が書かれていた。それでもA氏は一度協力を承諾したからには細かい事を言う性格ではなかった。あくまでも紳士協定を前提とした融資だった。しかし、鈴木は1回目から返済期日も守ることはしなかった》(取材関係者より)
《鈴木にとって株取引で利益を出すにはA氏からの株価の買い支え資金の支援は必要不可欠であった。正確には買い支えというより、株価を暴騰させる為の資金だ。敢えて、買い支えと表現したのはA氏を説得する為の鈴木のまやかしに過ぎない。A氏から出させた金を株式市場を介してそっくり抜き取る事が目的だった。鈴木は裁判で証言台に立ち、「株取引でいくら儲けようがA氏には関係ない事」と、よく言えたものだ。品田裁判長が「合意書」契約の有効性を理不尽にも認めなかった事で、鈴木の嘘が闇に葬られ犯罪を隠蔽する原因の全てを招いている》
《A氏は好意で高級輸入腕時計を相場よりも安価で鈴木に貸し出していたが、裁判では品田裁判長が販売委託価格に異論を唱え、「経済的に不合理な価格設定」と決めつけた。そして鈴木への委託販売を認めず、会社(FR)の債務として合計7億4000万円を鈴木の債務から除外してしまった。これには誰もが驚かされると思うが、品田裁判長の不見識がA氏の主張を認めず、鈴木の主張を認めてしまった。貸金返還請求訴訟の中で品田裁判長が犯した大きな誤りの一つであった》
《鈴木は、株取引を実行するに当たりA氏に内緒で2人のスタッフを雇っていた。一人は鈴木が銘柄に選んだ株の売却を担当していた紀井氏で、もう一人は売買利益を管理していた茂庭氏だ。紀井氏は西が香港で襲われたことを知り、かねがね感じていた自分の身の危険を強く実感して鈴木との関係を絶ったが、A氏には協力して鈴木の株取引の実態を法廷で証言した。もう一人の茂庭氏は自主廃業した山一証券の海外担当者で海外経験も長く、山一證券の残務処理までしていたやり手の証券マンだったようだ。鈴木は、茂庭氏にA氏に内緒で独り占めにした利益金を海外に移動させる役目を任せていたようだ。ある意味この事件のキーパーソンと言える人物だが、このサイトは茂庭氏の存在にあまり触れていないが、茂庭氏も紀井氏同様、身の危険を常に感じていたに違いない。今後、一番危ない人物ではないか》
《今の時代、脱税は国賊として重罪である。鈴木のように海外に隠匿している資産に対しても、関係各省庁に摘発強化の大号令が下されているという。こうした動きは世界規模で進められており、各国の税務当局が連携して富裕層の口座情報を自動で交換、共有するシステム「共通報告基準(CRS)」を構築して締め付けを強化しているという。鈴木が摘発されるのも時間の問題だろう》
《紀井氏と茂庭氏は証券マンとしてのスキルは高く、報酬金額に対する見方も強かった。鈴木は証券マンの習性をうまく利用したのだ。紀井氏と茂庭氏はA氏と鈴木がトラブルになるまでは、A氏がスポンサーだという事を知らず、お互いの役割を果たすだけで、株取扱に関する合意書が存在することも知らなかった。そして鈴木はA氏に、彼らの存在を隠していたのだった。それも利益を独り占めにするための発想だったのだろう》
《鈴木は宝石業界の経験が長く、業界の裏も表も知り尽くしていたようだ。A氏から現金での融資をしてもらいながら、資金が足りない時は会社の在庫をA氏に言い値で買って貰って資金繰りの足しにしていた。A氏も同業で商品価値は熟知していたが、資金繰りに苦労している鈴木を見て言い値で鈴木の商品を買ってやっていた。鈴木は、A氏が保有する超高級輸入時計を販売委託で借り出し、金融業者に担保で預けて資金繰りをしていた。A氏に約束した4億円の販売代金を払わず、現品の返還もしなかった。鈴木はこうして、誰にもできない程のA氏に世話になりながら嘘をついてA氏を裏切り続けた》
《裁判では、長谷川弁護士は捏造した「質問と回答書」(乙59号証)という陳述書を使って、A氏を反社会的勢力の手先であるかのように虚偽のイメージを裁判官に印象付け、裁判を有利に運ぼうとした。当の被告である鈴木が、親和銀行不正融資事件で反社の人間と組んで銀行の頭取を脅かした事実は大手マスコミでも報じられ記憶に新しいが、反社と親密なのは鈴木である。恩義を受けたA氏に対して、金を独り占めする為にここまで卑劣な人間になり得るのは、世界中何処を探しても鈴木だけだろう》(以下次号)