シャピーロファンド 被害総額100億円 架空投資のキーマンM.Pという韓国系米国人(3)

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1636年に設立されたハーバード大学は、アメリカ最古の大学で最も富裕な大学の一つとされる。2014年6月時点での大学基金(大学の基盤整備や学生支援を行う基金)は364億ドルにも上り、2018年ではキャンペーンも手伝って410億ドルに上っているからだ。過去の実績を見ても、同大学が受け取った寄付で某財団からの3000万ドルや別の財団からの2185万ドル等の巨額の寄付が目立つという。

(写真:韓国系米国人M.P 日本国内で多くの詐欺を働いてきた)

アメリカで出版されたある書籍によると、大統領経験者の娘婿の場合、父親が、息子が大学に入学する前に、大学に250万ドルを寄付する約束をしたという。実際に、娘婿はハーバード大学に入学できるような成績ではなかったようで、高校の事務局関係者が、「学校の事務所の誰もが、彼は入学できる成績ではなかったから、彼が実力でハーバード大学に入れるとは思っていなかった。実力でハーバード大学に入れる生徒が他にいたのに、その生徒は入れなかった」と明かしている。それに関連して「大統領や副大統領経験者の子息がファミリーの影響力と莫大な寄付で、プレステージの高い学校から優遇措置を受けていたようだ」と書いた暴露本が全米の話題をさらったほどだが、これは明らかに裏口入学だ。ただ、これはアメリカでは珍しいことではなく、法にも反していないという。しかし、これが時には事件化することもあり、現にトランプ元大統領の一家を巡る裏口入学スキャンダルもその延長にあるとみられている。
M.Pのように、大胆な詐欺を働いて騙し取った金をハーバード大学に寄付したことで、長男が同大学にすんなり入学できたとすれば、仮にマイケルの詐欺行為が事件化した場合、長男の入学問題にも捜査が及んで、長男自身も真っ黒に汚れてしまうだろう。
M.Pが仕掛けた詐欺は「シャピーロ」という架空の人物を作り出して、シャピーロの投資に資金を出せば、2年足らずで10倍の利益を得られる、という大ぼらを吹いて投資家を騙した。M.Pの投資話に乗った西義輝が、さらに身近の知人たちを誘い込んだために被害額は総額で100億円にも膨らんだ。

(写真:M.Pの長男J.P)

このファンドが実態のないものだという事実が発覚したのは、A氏から預かった資金がファンドの事務方をしていた中田早苗という女性の個人名義の複数の銀行口座に預金されていたことが判明したからだったが、その際に、A氏から説明を求められた中田早苗は事実を認めながらも「そんな高額の配当が出る投資が本当にあったら、私も真っ先に金を出した」と言う。中田早苗の人間性には誰もが驚いたという。
西が、この投資をいつの時点でM.Pによる詐欺であることに気が付いたかは不明だが、事実を知った時点でも西は関係者達には明らかにしなかったことは、前述の中田早苗の言動から見ても明らかだ。中田早苗は3人の娘の母親でありながら、M.Pと西の2人と共謀していたのだ。
M.Pは来日した時には飲食を含め全てをA氏にしはらわせたいたが、その金額は相当な額に上っているようだ。そして、A氏の関係者が何回もM.Pに対し資金の返還や約束した配当の履行を求めてきたが、そのたびにM.Pは期限を切って「約束を守る」と言いながら、実際には全て反故にして来た。ごく最近のやり取りを記した書面等があるので、それは近々公開する。M.Pは日本以外の米国や他の国々に逃亡していれば逃れられると高を括っているかもしれないが、父親が真の詐欺常習犯である事実が全世界に知れ渡れば、それこそM.P 自身はもちろん、息子たちも多大な影響を受け、特にJ.Pはハーバード大学卒という学歴に傷がつくのは間違いない。何よりもM.Pが行った同大学への寄付金が多くの人間から詐欺により騙し取ったものであり、刑事責任を問われることを同大学が知るところとなれば、放置するはずもないからだ。

前述の裏口入学事件では、親たちが、ブローカーに賄賂を払うだけではなく、テストの点数改ざんや、スポーツ推薦枠に入るための写真加工など様々な裏工作による詐欺行為もしたために訴追に至ったが、M.Pの場合は寄付金そのものが詐欺行為による犯罪収益だから、事態はより深刻だ。M.Pは詐欺を働いた事実をこのまま隠し通そうとしているようだが、それは絶対に不可能だということを身をもって自覚するべきだ。前回の記事を公開して以降、読者からの反響も意外なほどに高まっているだけに、新たな情報が寄せられる可能性も高いに違いない。(つづく)

2023.04.12
     

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