シャピーロファンド  被害総額100億円 架空投資のキーマンM.Pという韓国系米国人(5)

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投資家に「必ず支払う」と言った約束をM.Pは繰り返し反故にし続けた。「配当を持って日本に行く」という話がM.Pの口から出ても、M.Pが来日したのは1年後になることがざらで、ようやく来日しても「N社株を中国企業に売却予定である」という話だけで、手ぶらだった。

(写真:韓国系米国人M.P 日本国内で多くの詐欺を働いてきた)

しかも、M.Pは平成28年には5回も来日し、そこでは「5000万円から1億円を返す」と言ったり、金額を1億円から5億円と言い換えるなどしたが、それまでと同様に自身が口にした金額を用意することはなく、投資家は投資資金の回収とM.Pが約束した3倍保証の履行を迫るという考えを強めるだけだった。することは遂に無かった。加えて投資家はM.Pへの応対で飲食費等を全額負担したが、M.Pの希望通りに銀座や六本木等のクラブへ行くなどしたことで、その費用もバカにならなかった。
M.PはN社の中国企業への売却話も、また投資資金の返済計画も何一つ実現させなかった。投資家はM.Pの対応が余りに横着なために、M.Pからメール等の連絡が入っても、すぐに対応することを止め、様子を見ることもしたが、M.Pの言動に変化は見られなかった。そして平成29年もM.Pは3月と5月に来日したが、徒に時間を過ごすだけだったために、業を煮やした投資家が、M.Pに「担保設定をする」と伝えると、M.Pが日を置かずに来日し、新たな契約書の作成をすることになり、その約定に基づいてM.Pが投資家に2000ドル(〇〇円)を送金したが、しかしそれも3回しか続かなかった。そして、相変わらず来日予定を伝えてはそれを変更する事態が続いた。そして平成30年1月中旬、M.Pが来日した際に投資家が面談することはなく、代わって投資家の関係者が応待し、「変更がないスケジュールを持って来るように」と言うに留めたという。M.Pからは約1か月後にスケジュールの提案があったが、それは投資家から見れば従前のM.Pの対応と何も変わっておらず、ただ予定日を先延ばしにしているに過ぎなかったと突き返してしまった。
因みに、新たに作成された契約書に謳われた投資資金の元金は6億9000万円で、M.Pが約束の履行を反故にしたペナルティが13億1000万円のほか、担保として新たに2社の株券を提供するというものだった。しかし、M.Pが資金の返済を実行したしたのは先にも触れたとおり2000ドルを3回だけで、連絡があっても返済の予定日だけで一切実行が伴っておらず、逆にN社の売却でトヨタとかTEPCO(東京電力)、川崎重工ほか韓国の財閥企業であるヒュンダイ等の超有名企業との交渉を進めているという話があったが、実現することはひとつもなかった。

そもそもM.Pが、シャピーロなどという架空の人間をでっち上げて相場を遥かに超える配当を約束し、投資家から金を巻き上げるような常習の詐欺師であることを踏まえれば、いつ刑事事件化しても、それは当然の話だ。M.Pが被害に遭った投資家に約束した配当金とは別に年20%の遅延損害金を設定することで、M.P自身が反省と謝罪を込めて約束を実行するものと投資家が思うのもは自然な成り行きと思われた。しかし、M.Pはあくどかった。
M.Pは、その後も懲りずにその場しのぎの言い訳を繰り返しているようだ。昨年11月にM.Pは「5000万円~1億円を年内に送金する」と投資家に期待を持たせるようなメッセージを送り、さらに12月にも同様のメッセージを送っていながら、その約束は履行されず、年が明けた今年の1月に「送金元側から説明、資料請求を求められている。1月中には送金できる」と言い訳し、1月31日になると1月中に送金できなかった事についての謝罪をしつつも、「海外からの資金受け取りのため、アメリカ政府等への説明と手続きを行っているところで、2月15日ごろにはめどがつく」としたが、予定日の前日の2月14日に「送金手続きにまだ時間がかかっている」と先延ばしをするメッセージが送られてきて、約束を反故にしてしまったのだ。
そして、2か月ほど前の3月8日付で「ドバイに直接行って手続きを行う必要がある。日本へはその後に寄る」とし、さらに3月25日付のメッセージでは「チームがドバイに到着した。来週から自分もドバイに入る」としながら、その後は一向に連絡がなく、M.Pは今も姿を見せていない。M.Pがチームと共に「ドバイに行き、その後に日本に寄る」とした話も、それまでの経緯からすれば全く実の無い話で、約束を守ろうとする意思も一切感じられない。これはM.Pがいつも行う手段で、過去投資家に対して「中国の企業にN社を買ってもらうので、間もなくお金が入る。」と連絡が来た。ある中国の巨大複合企業がM.Pの持つ技術に目を付け、その技術を使い電池工場を作るという話だった。M.Pは一時的にはそのグループ企業の1つのCEOまで任され、M.Pの持つバッテリー技術を投入し新しいいバッテリーを立ち上げるまでこのポジションに就いているという話だった。投資家はM.Pが買い手に信用され、内部まで入り、状況を把握しているので、「今度こそは」、と返済をあてにした。しかしM.Pとその中国グループの関係は短い期間で終わりを迎える。M.Pが投資家に説明したのはいつもと同じ「相手側に非がある」との事だけだった。無論中国企業の見解は全く異なるものだった。

また別の話では「年末にはアメリカ、もしくは香港で上場するので、年明けからは返済ができる」という連絡が来る。しかしこれも終わりは決まって「問題が発生し、その対応に追われている。少し時間がかかると。」となり、そのままその話は消えてしまう。

これまで見てきたように、M.Pは来日した時には銀座や六本木等のクラブ等での高額な飲食を含め全てを投資家に支払わせて、その金額は相当な額に上っていることに加え、投資家の関係者が何回もM.Pに対し資金の返還や約束した配当の履行を求めてきたが、M.Pは期限を切って「約束を守る」と言いながら、実際には全て反故にして来たことが分かる。M.Pが詐欺を働いた事実をこのまま隠し通そうとしても、それは絶対に不可能だということを改めて自覚するべきだ、というより、M.Pが署名した契約書等は告訴・告発の有力な証拠になるから、M.Pを巡る状況がますます深刻さを増すことは間違いない。(つづく)

2023.05.20
     

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