《裁判で裁判官の交代を求める「裁判官忌避申立」という制度があり、忌避の申し出は民事訴訟法第37条に則ったもので、裁判官の判断が公平さを欠くと客観的に判断出来る場合に、同条の規定によって担当裁判官の変更を申し出ることができるという。認められた例は少ないのが現状らしいが、これだけインターネットでの注目を浴びている鈴木の裁判を担当した品田、野山両裁判長は、名前が知れ渡り、これからの裁判で相次いで忌避の申立を受けるのではないか。評判はガタ落ちの筈だろうから》
《品田裁判長が判決で鈴木の多くの嘘を採用した中で、平成11年9月30日に15億円を払って完済したという点については認めなかった。債務は元金だけでも28億円で、それが15億円でどうして完済となるのか、鈴木の主張は支離滅裂だった。しかも鈴木が完済したという主張の根拠にした確認書がFR社の決算対策のために便宜的に作成されたことは西や天野氏の証言や証拠で明らかであるし、確認書をA氏に交付してもらうために西がA氏に手形の額面と同額の借用書を書き、確認書が便宜的に作成されたことを示す書面も差し入れたので、A氏も鈴木(FR社)に宛てて確認書を書いた。品田裁判長もこれらの事実から認める訳にはいかなかったのだろうが、鈴木のような大嘘つきがどうにもならなくて認めたことまで品田裁判長は覆してA氏の請求を棄却した。和解協議で宝林株の取得資金をA氏が出したことと宝林株の取引が合意書に基づいていたことは鈴木は認めている。しかし裁判官はそれさえも一蹴して採用しなかった。あまりにも不可解過ぎて、裏工作があったのではないかと疑ってしまうのは当然だ》
《和解協議での鈴木の精神状態を指して、裁判官が「心裡留保」と判断し和解書を無効と裁定したが、和解書作成以後の数日間に鈴木がA氏に何度も電話したり、1週間後の10月23日に自分から電話をしてA氏の会社を訪ねて面談しながら、和解協議での支払約束を追認した事実や、その後A氏に送った手紙の内容等をどのように検証したのか。判決にはそれらを排除した理由が明確に反映されていない。平林や長谷川の主張を採用するなら、その理由付けが余りに不十分で不公平と言わざるを得ない》
《西が残したレポートによると、香港の事件が起こる前の、鈴木がA氏に内緒で隠匿している利益金は約385億円だったようだ。鈴木と西との密約では西の取り分が135億円で、その内の45億円を香港で西が受け取る予定だったようだ。この2人はA氏に内緒にすることで合意書違反となり、自分達の利益配当が消滅する事など全く無視していた。鈴木は西との密談の中で「俺は、社長とはもう関係ない。借金の清算もついている」と言っている。それを黙って聞いていた西も西だが、2人とも自分の金の計算で頭が一杯なのだ。西は鈴木に裏切られ自殺したが、鈴木には特別の制裁を課すべきだと思う》(関係者より)
《鈴木は、宝林株で隠匿している利益金を運用して数多くの銘柄を手掛けた。充分な資金がある事と、大物相場師の西田晴夫グループと知り会った事で鈴木の思惑通りの相場操作が出来て、莫大な利益を挙げて行った。そして、霜見に隠匿金を運用させるためにスイスの隣国にファンド(JOF)を立ち上げ、自分が創業したクロニクル(旧FR)の増資を裏で画策し、JOF名義でクロニクルの新株を大量に引き受けるという工作に成功した。鈴木はクロニクルに入れた増資分を個人で流用するというアクドイやり方で他の銘柄の購入資金に充てていたらしい。鈴木の狡賢さは底ナシだった。その事は当時のクロニクルの会長の天野氏と霜見だけが知っていたようだ。天野氏は鈴木の横暴をクロニクルから排除しようと考えていたらしいが、天野氏も大石氏も霜見夫妻も、そして西田の莫大な資金も全て鈴木の思惑通りに処理したようだ。鈴木が世界一の大悪党であることは世界中に広まりつつあるようだ》
《鈴木と西は、A氏からの借入金を返済できていなかった。A氏は鈴木が親和銀行で逮捕され有罪判決を受けた事を考慮して催促をすることを控えていた。このA氏の器量の大きさと温情の深さは誰にもできる事ではなかったはずだ。鈴木と西は何度も命を救われた恩義を蔑ろにして、常に悪巧みを企んでいたことになる》
《A氏から金銭を詐取する鈴木の計画は尋常ではない。西を籠絡して散々利用した挙句、全責任を西に被せ口を塞ぐ事で完結させる手筈だったように思う。鈴木と交わした利益金分配の密約を履行するということで香港に飛んだ西は、現地で待っていた鈴木の手下であるTamによって危うく命を奪われるところだった。一旦は手にした利益金に代わる小切手も奪われ、西にとっては踏んだり蹴ったりの渡航となったが、首謀者の察しが付いている西にとっては、絶対に許せない事態だったはずだ》
《1000億円を優に超える裏金で好き放題をしても咎められない世界などどこにもないことくらい鈴木には分からないのだろうか。長谷川も裁判後のことを考えて弁護士登録を抹消したはずで、鈴木の悪事が全ての証拠で明白になっている今、自分にも責任が及ぶことを考えてのことだろうが、弁護士の廃業が問題を解決した後のことであればまだしも、好き放題をしたままで知らぬ振りでは世間が絶対に許さないことも分からないはずはない。自殺寸前で何から何までA氏に助けてもらっておきながら、A氏をとことんまで裏切り、中に入った西が責任を感じて自殺したことで鈴木の責任はあまりにも大きく深刻だ。鈴木のやったことは人として決して許されることではなく、長谷川も青田も同様に自分一人で済まされる話ではない。ここまでの事件になると、家族や身内にまで大きな影響が出る》(以下次号)