高崎・富岡市政を糾弾する!! 事前告知なく強制執行をかけた納税課と料金減免に応じない水道局(2)

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高崎水道局を糾弾する!!

高崎市水道局が、市内にビルを所有していた地権者に対して未払いの水道料金約108万円の支払いを求める訴訟を起こすという暴挙が起きている。従前の水道料金が平均で6~8万円だったにもかかわらず、1回の請求で108万円という有り得ないような金額になったのは漏水事故が原因だった。ビルの地下にある防火用の水槽に水を溜める水道管が破損し、水槽が一杯になれば自動的に水を止めるボールタップと呼ばれる部品(家庭のトイレタンクに水が溜まれば水を止める構造と同じ)が破損していたために水が流れっぱなしになり、それに気づいてビルの管理者が元栓のバルブを閉めたのが約1か月近く後のことだった。

詳しい経緯は追々触れるとして、ビルの管理会社が漏水事故が事前に起きた地震による自然災害が原因であり、また漏水事故に気付くまでに時間がかかるほど発見が困難だったために、水道局に対して減免措置を取るよう何度も交渉したが、水道局はそれを拒否したためにビル管理会社が支払いをしなかったところで訴訟を提起したのである。

通常であれば、このビルの2か月ごとの水道料金は前述したように6万円から8万円というが、水道局料金課が請求書を作成することになった令和4年5月、請求金額が約108万円だったことに驚き、ビルの管理会社に異常の原因を確かめる照会をかけたことで、管理会社もそれを初めて知り、ビルの管理者に確認する作業が行われたという。

防火用の水槽は地下1階の床下に設置されていたが、同フロアーにはライブハウスがテナントとして入っている中で、非常事態でもない限り、日常で点検する作業はなく、地下1階の床下にある水槽や、水道管およびボールタップの破損を発見することなど、専門の業者による特別な点検を必要とするものだった。つまり、管理者が日常的にビルの内外を見回る作業の中で異常を発見できるものではなかったという。そうした中で、管理者が地下1階を見回る中で、かすかではあったが異音に気づき、改めて床下の板を外して水槽を覗き込んだところ、水が溢れていることが分かったものの原因を探ろうとしても困難だったことから、急遽水槽につながる水道管の元栓を閉めて水を止めた。それが、4月10日前後の事だったという。

管理者によれば、その1か月ほど前の3月16日に高崎市周辺で大きな地震があり、その影響で水道管やボールタップが破損したのではないか、というが、この地震は3月16日午後11時36分ごろ、福島県沖で発生したマグニチュード7.3、最大震度6強に及び、高崎市内でも震度4を記録した。また、この地震の影響で高崎市内ではおよそ10,360軒が停電したほか高崎駅発着の新幹線・在来線はすべて運休した。

水道局は、ビルの管理会社への照会から数日後にビルに職員を派遣して防火用水槽の周辺と水道管を詳しく調査した。すると、前述したように水槽が満杯になっても水が止まらなかったのはボールタップが破損していることに原因があるとして、当初は水道料金の80%前後が減免の対象になると言っていた話を撤回して、全量使用者側の負担になる、と調査に立ち会った管理者に告げた。

しかし、これに管理者が強く反発し、水槽が普段は点検が非常に難しい所にあって、異常を発見するのが困難だったことに加え、ボールタップ破損の原因が自然災害によるものだったことを考慮すれば、減免の対象になって然るべきではないかと訴えた。ところが、水道局の職員は、主要な水道管や、そこから引き込まれた給水管の破損であれば減免の対象になるが、ボールタップは飽くまで使用者側の管理になっていると強調して譲らなかった。高崎市水道局の算出によれば、溢れ出していた水の全量が使用者側の負担となり、請求すべき水道料金は満額の108万円を超える金額だとした。

水漏れにより高額になった水道料金は、原則としてその水道の使用者が支払う必要があり、その理由としては、「給水装置」(給水管、止水栓、メータボックス、蛇口などの給水用具の総称)が個人の財産であるために、その管理や修繕の責任も所有者にあるとされているからだ。

先に触れた減免の対象になる要件としては、「地下や床下、壁の中など、目に見えない場所からの水漏れで発見するのが難しい場合」「地震や大雨などの自然災害が原因で不可抗力の場合」「使用者に過失がない場合」の3点があるが、今回の場合はそのいずれも適合していると思われる。

しかし、それでも市の水道局は、原因が水道管の破損ではなくボールタップにある限り、減免の対象にはならないと言い張ったものの、減免の対象になるかどうかで、水道局の上層部に諮り協議したが、上層部が対象にはならないという結論を出したので、これを覆すことはできないと言う。しかし、減免の対象になる要件をクリアーしているのに、なぜ対象にならないかの説明をしないまま、ボールタップにだけ言及するのか、あまりにも行政側の考えを一方的に押し付けていると言わざるを得ない。水道局の上層部は何故ボールタップだけにこだわるのか。漏水が発見の困難な地下の床下にある防火用水槽で起き、しかもその原因が自然災害にあるというのは明らかに減免の対象要件を満たしているではないか。

料金課の担当者は「上層部の決定」を強調するが、高崎市水道局の福島克明局長以下幹部職員たちは何カ月も何を協議したというのか。自然災害や不可抗力が原因で検針した水道量が通常の20倍近くにハネ上がってしまったことが明らかになっているにもかかわらず、その責任を全て使用者側に押し付けることに何の痛痒も感じないというのか。そうであれば、水道局の姿勢は明らかに公益性に反している。

高崎市水道局のホームページには「漏水があった場合には、修繕費用や漏れた水量の使用料金もお客さまのご負担になります。しかし、地下漏水や発見が困難な箇所からの漏水で、指定給水装置工事事業者(以下、「事業者」という)が修繕する場合には、事業者の漏水証明と修繕証明によって、使用料金を減額できる制度があります」と謳っている。しかし、水道局の担当者は、ボールタップの破損に原因がある限り減免の申請をしても受け付けられないと言い続けたので、大きな問題として高崎市及び水道局の姿勢を問うという意思を見せ続けた。高崎市水道局が6月初旬に請求書を送付すると言ったことにも、ビル管理会社は「支払う意思はない」と返答した後に支払期限を7月11日と明記した催告書がビル管理会社に送付されたという。その後、水道局からの催告書の送付があり、ビル管理会社は顧問弁護士を窓口にして交渉を継続した。

一方で、ビル管理会社は、地下1階のライブハウス(フリーズ)やスーパーカーの展示で集客にかなり影響していると考えていたが、以前より大手を含めた何社かの不動産会社からビル購入の希望があったので、6月30日限りでビルを売却し、購入した不動産会社が直後からビルの解体作業を進めたことで、水道局が減免対象の根拠となる証拠を提示しろ、などという乱暴な要求を繰り返した。ビル管理会社側の主張や希望に一切耳を傾けようとせず、訴訟に踏み切った水道局、というより高崎市という自治体の姿勢を大いに問題とすべきではないか。本末転倒している水道局の対応は明らかに行き過ぎであると思われるだけに、水道局は減免についてもう一度見直すべきなのだ。

(写真:富岡賢治・高崎市長)

高崎市の行政手続きに不満が渦巻いている。根幹の原因が大なり小なり富岡賢治市長の姿勢にあるのは当然だと思われても仕方がない。少なくとも2010年5月以降、特に2019年と2023年の選挙は無投票で当選を果たし、富岡氏が4期めの市長を務める中で行政での専横が際立っても、それを口にすることが憚られるようになり、富岡氏が3期目の市長に就いた2019年10月には高崎芸術劇場の照明備品を巡る官製談合事件で市役所職員が逮捕されるような事件が摘発されたこともあり、富岡市政への不満や非難がいくつも表面化しているのが実情だ。

実は、過去にビル管理会社の預金口座を、高崎市が事前通告もせずにいきなり差し押さえ、滞っていた固定資産税の未払分を全額回収してしまったという事態があった。令和4年4月15日、突然、高崎市納税課が地権者の会社の預金口座を差し押さえ、1000万円を超える金額を回収するという事態が起きたのである。当日の朝、地権者の郵便受けに入っていた郵便物の中に高崎市から送付された封筒があり、開封して中身を見ると、支払が遅れていた固定資産税について、地権者の会社名義の預金口座を差し押さえ、さらに回収(未払相当額を引き出す)する内容が書かれていたが、驚いたのは回収日が、封筒が届いた当日だったことだった。何の前触れもなく納税者の懐に手を突っ込み、無理にでも回収することなど、決して許されることではない。

高崎市が作成し送付した書面の日付は4月11日だったが、郵便物が転送されていたために、手続きに時間がかかったのか、地権者の手元には15日の朝に届いたものだった。そもそも、差し押さえをするにしても、実際に回収するまでに一定の時間を置き、その間に未払い分の支払について地権者側の対応を確認するのが行政として当然であり、納税者に対する配慮だ。仮に封筒が正常に届いていたとしても、わずか2日ほどしか時間を置かずに回収日を設定するというやり方は、あまりにも無礼であり、富岡市政の何をしてもいいという傲慢さが見て取れる。封筒の中身を見た地権者が、急ぎ銀行のATMで記帳したところ、未払分相当額がそっくり引き出されていた。そこで、事実確認と抗議をするために高崎市の納税課に電話を入れたが、高崎市の納税課では預金口座差し押さえの事前通知を出し、回収の期日を明記したと説明しているが、地権者はその通知書を見ていない、と言うより受け取っていなかった。そこで、再三にわたって納税課の担当職員に通知書を見せるよう要請したが、「再発行はできない」の一点張りで拒否したという。なぜ納税課は通知書を開示しないのか。「送った」「いや受け取っていない」という問題を解決する一番正確な確認方法が通知書の開示であるのは、誰の目から見ても明らかのはずだ。納税課の説明が本当であれば、コピーでも開示するのは当たり前のことだ。

実は、このビル管理会社には数年前にも一度、同じく固定資産税の未払分を巡って、高崎市が、いきなりビル管理会社が賃貸で貸している一軒家の差押手続きをした、という苦い経験があった。そしてこの時も、今回と同様に差し押さえの事前通知を4回も送ったと言い張る市の職員は最後まで通知書をコピーですら開示しなかったが、実際にはビル管理会社には通知書を一通も送っていなかった事実が判明した結果、高崎市納税課の4名の幹部職員たちが東京新宿のビル管理会社の代表者を訪ねて来て深謝するという事態を招いていたのである。担当した職員だけでなく幹部職員たちはあまりにも無責任過ぎる。しかも、謝罪を受けた直後、未払分の税を即日で全額納付したにもかかわらず、高崎市が差し押さえの手続きを解除したのは、それから何年も後のことだった。

そうした、あまりにも杜撰な高崎市の対応を経験したビル管理会社だったから、今回の未払分のいきなりの回収という、同じ轍を踏むようなやり方に対してさらに怒りが増幅しているのは当然だろう。高崎市の納税課が事前の通知書を送ったという嘘を誤魔化すために、その通知書のコピーですら開示を拒んだ可能性は高い。

高崎市納税課には学習能力が全く無いのか、それとも税金さえ取れればいいという発想が根底にあるのか。そのどちらにしても高崎市の対応は納税者を蔑ろにしていると言わざるを得ない。

富岡賢治市長は、2019年4月の3回目の市長選挙では他に候補者がいなかったため無投票で当選したが、前述したように、その年の10月に官製談合事件が発覚した。この事件は、高崎市企画調整課付課長で高崎芸術劇場副館長の佐藤育男が、市が発注した舞台装置の延長コードやドライアイスマシンなど数十点に関する指名競争入札で高崎芸術劇場の元館長の菅田明則と電気工事会社「阿久沢電機」社長の阿久沢茂に照明備品の価格を漏洩した官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕された事件だが、富岡市長の後援会は菅田が興し、阿久沢は後援会連合会の幹事長を務めていたほか、菅田が高崎商工会議所の副会頭と高崎観光協会の副理事長、また阿久沢は高崎観光協会理事長等の要職を務めるなど、富岡市長の側近的な立場で高崎市役所への影響力も大きかったとみられる。群馬県選挙管理委員会が前年分の政治資金収支報告書を公表した中で、富岡氏の後援会「富岡賢治後援会」の政治資金収支報告書から、同後援会が同年1月19日開催の「新しい高崎 新春の集い2019」で、菅田が社長を務めていたラジオ高崎に映像製作代として397万8千円を支払っていたことや、後援会が、菅田がかつて社長を務めていたグラスロード社にもパンフレット、チケットの制作代として計約43万7千円を支払っていた事実が明らかになった。

高崎市はこの事件を受けて、再発防止を目的に市役所総務部内にコンプライアンス室を設置し、事務を適正に執行するための助言や、法令順守を徹底するため職員の意識啓発などに取り組むとしたほか、富岡市長が2020年1~3月の給与を15%減額し、担当の副市長も同年1~2月の給与を10%減額するとした。しかし、今回の納税課の対応を見ると、当時の反省が何も生かされていないことが分かる。

さらに言えば、ビル管理会社は高崎のビルを所有して以降、1階フロアーにスーパーカーを3台ほど展示していたが、地元の車マニアだけでなく他府県からも多く動員されていたことから、当時の松浦市長がスーパーカーの展示に大いに注目し、ビル管理会社の代表者に「スーパーカーの展示でさらに高崎市を活性化してほしい」とアピールした経緯があった。そこで代表者は所有していたスーパーカー3台をほぼ3か月に一度、東京の車庫から移動させて入れ替える展示を行ってきた。また、先にも触れたようにビルの地下1階に入っていたライブハウスは、興行による収入の不安定さから、毎月賃料や光熱費等の支払を滞らせ続けていたが、これについても、ライブハウスを訪れる入場者により高崎市が活性化するとの考えから、ライブハウスに対して寛容な対応を続けてきたという。このライブハウスに対する賃料の未収残高は総額で3億円以上になっている。これも、ライブハウスが無くなれば、高崎市に若者が集まらなくなることを考えた結果だった。また、民放の日本テレビで町おこしのキャンペーン企画でビルを放送する予定になっていたが、高崎市の対応が「ビル管理会社は地元の人ではないので」と言って非協力的だったことから、企画を中止したという。このように、ビル管理会社が高崎市の活性化に至極前向きに対応し続けてきた貢献度について高崎市は一定の配慮に欠けていると言わざるを得ない。

高崎市の水道局、そして過去の納税課の対応は、いずれもビル管理会社への配慮に欠けていると言わざるを得ないが、一部にはビル管理会社がそもそも「県外から来た地権者だから冷たく扱っている」という指摘もある中で。もし、そのような冷遇対応が常態化しているなら、いずれは県外から住民登録した市民に対しても、トラブルが生じた際に同様の事態を招きかねないことも想像される。高崎市の行政の姿勢は、場合によってはコンプライアンスに抵触する問題も潜んでいると思われる中で、今後は徹底した取材(調査)を進めて情報開示に努めることにする。(つづく)

2024.01.23
     

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