[プライベートバンクも「脱税」の同罪]
「鈴木義彦」が証券市場から吸い上げた利益を海外に流出させて、かれこれ20年が経過する。ペーパーカンパニーを数多く設立、購入しては用済みになると潰して証拠隠滅を図っていたはずなのに、いつの間にか、その実態なき会社からコンサルタント料を取る国際ビジネスマンを騙るようになった。
外資系の金融機関担当者の皆さん、この男と取引をすると、いずれ犯罪に巻き込まれるリスクが高まるので、然るべき機関にご相談の上、本誌にもご一報いただきたい。
鈴木は住居登録地(神奈川県相模原市)には長らく居住していなかったから、毎年の税の申告ひとつとっても不明な点が多い。そして、海外に隠匿しているとされる巨額の資金については、主にスイスの複数のプライベートバンクにて、複数の口座を使って運用されていて、その口座名義人として、鈴木が第三者割当増資という手口を使い、外資を装うために用意したペーパーカンパニーの一部が生き残り、例えば、ホーリーマネージメントリミテッド、マジェスティック・インベストメンツ・トレーディングは今も存在している事実が確認されている。それ故、その一端でも表面化すれば、関係当局は鈴木の財産と見られるすべてに凍結の指示、要請を関係する政府、金融機関にかける。いったん凍結された財産は30年間、解除されることはない(その後は事実上没収の対象となる)。事は国税当局だけでなく、金融庁に蓄積されたデータも共有されて実態の解明に向かうだろう。疑惑が持たれている隠匿資金は十数年間の利回りを含めると1000億円を超える規模になっていると思われるが、全額が国庫に没収されることになるから、国税当局や金融庁が動くのは必至だ。ちなみに事情を知る関係者によると、日本国政府が相手国と司法取引で没収という手続に入ると、鈴木を顧客としたプライベートバンクにも厳罰が下ることになるが、相手国にも事実上分配されるのが慣例という。(以下次号)