強欲 鈴木義彦に残された選択肢(2)

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〔相次ぐ自殺や不審死〕
鈴木の側近だった大石高裕は、親和銀行事件で鈴木と共に逮捕され、平成12年9月20日、懲役1年6月(執行猶予3年)の有罪判決を受けた後、交通事故で死亡した。余りに突然のことだったが、事件発覚から逮捕・起訴後の公判が続く中で、鈴木と大石の関係に亀裂が入ったようで、西義輝が大石の妻に5000万円を渡した事実が西のレポートに綴られているそれによると、鈴木から「大石の口を封じたい」という依頼があり、1999年11月に貸付を実行したという。こうした経緯を耳にすると、大石が命を落とした交通事故に故意は無かったのか、天野、大石の2人が側近中の側近だけに大きな疑問が残る。
天野、大石の例だけではない。鈴木をめぐっては、周辺関係者とトラブルが起きると、相手がいつの間にか自殺や不審な死を遂げるなど物騒な出来事が余りに多いのだ。原因は決まって鈴木の身勝手な約束違反に端を発した金銭トラブルで、西と仕掛けた株取引の初期の段階で利益金の海外流出に一役買った吉川某は、平成12年から同13年にかけてSECからマークされたことからフランス(パリ)に逃げたが、その後、鈴木との関係がこじれて険悪になったという話を聞いていた関係者が鈴木に吉川のことを尋ねると、鈴木が「あいつは死んだよ」と素っ気なく返事をしたことに大変驚いたという。吉川の消息は今も不明だ。
また、同じく株取引で鈴木とタッグマッチを組んだ西田晴男は、平成19年に南野建設の相場操縦容疑で大阪地検に逮捕された後に、持病の糖尿病が悪化して4年後の平成23年3月に死亡したが、自らの証券口座を持たず、株の取引は全て側近らの口座を使い、銀行口座すら自らのものを持たなかった。側近の口座等にたまった”N勘定”と呼ばれる潤沢な資金については、誰もその所在も行方も分かっていないが、西の前出のレポートによると、「(西田の側近だった)白鳥女史は、このユーロ債(アイビーダイワ)にて15億円以上の利益を上げることができた。ただ、白鳥女史にSEC(証券取引等監視委員会)および国税庁(東京国税局?)から内偵調査が入り、彼女は2002年(平成14年)にヨーロッパへ逃亡し、未だ帰国出来ない状況にある」と記しているが、鈴木が西田の“溜まり資金”を放置することなど有り得ないので、白鳥女史と謀って運用に動いた可能性は大きいと多くの関係者が口を揃える。

[細木数子と鈴木義彦の密接関係]
鈴木義彦という男は、いったい何か? と聞かれて、即座に帰ってくる言葉の多くが“人非人”という衝撃的なものだった。
人にあらざる人……。こんな言葉を特定の個人を指して言えば、名誉毀損に当たる可能性が高いと思ってはいても、鈴木を知る多くの関係者たちにそう言わせるのは、何よりも鈴木の周辺で数多くの人たちが不審な死を遂げ、あるいは自殺しているからに違いない。
セレブ夫妻殺人事件としてマスコミでも話題になった霜見誠(JOF)の事件も、“実行犯”が逮捕、起訴され、有罪判決を受けたことで決着がついたように見えるが、背後に潜んだ真相は依然として謎だらけのままだ。
鈴木が海外に隠匿し続けた資金は、今や1000億円を超えるといわれ、恐らくはプライベートバンクの口座名義人の口座に振り込まれた利回り(これだけでも年間100億円前後になる)で優雅な暮らしを満喫していると思われるが、「それは西を始め多くの人たちの協力がなければ成し得なかったことなのに、恩恵を受けているのは鈴木一人で、他は全員が犠牲になっているのは許されないことだ」という話を一人や二人だけでなく関係者全員が指摘していることを鈴木は重く受け止めるべきだ。
「過去に、鈴木と細木数子の関係が取りざたされたことがあったが、鈴木が株主から依頼されて金を預かり調達した宝石(1億数千万円のネックレスという)を、株主に渡さずに細木にプレゼントしたという事件があって、二人はどういう関係なんだ? と話題になった。真相は分からないが、海外資産に絡んだものではないかという話も多くあり、ここにきて鈴木との関わりで足元をすくわれる結果になりかねない」(関係者)
国税当局にしても司法当局にしても、こうした鈴木の行状や悪事がこのまま見過ごされていいはずは無く、やがては未曾有の脱税事件として国内外で大きな話題となる可能性は高いと考えられる。もっとも、そうした状況に置かれても、鈴木に対する民事上の責任を追及する動きが止まるはずはない。
「そもそも鈴木にとって、西の紹介で始まったA氏との関係がなければ、鈴木の命運は尽きていた。10日で1割以上の金利を伴う借金をA氏は担保も取らずに快く肩代わりした上に、株取引に係る株価の買い支え資金まで出させておいて『それは西の関係で、俺には関係ない』と嘯いた鈴木は絶対に許されない」と多くの関係者が言う。(以下次号)

2020.09.08
     

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