歌手の石川さゆりが設立した「カミパレス」で管理職を務めていた藤牧義毅。周知のとおり、同社は1980年代に石川さゆりの個人事務所が立ち上げた事業だったが、後に種子田益夫が関与したことで不正融資事件に巻き込まれ石川自身が10億円前後の債務責任を負った。カミパレスは収益の見通しがつかない状況下で充分な担保を設定しないまま、銀行頭取の承認と石川さゆりの連帯保証を得て迂回融資を行い、銀行へ損失を与えた経緯がある。カミパレスは平成11年10月20日に破産宣告を受けたが、その後、藤牧は種子田の下でカミパレスの清算処理を担っていた。
その藤牧が債権者を騙した詐欺事件である。
藤牧義毅は連帯保証をした責任を今も果たしていない。孫銀翼という韓国人を債権者に紹介して「私が保証人になるので金を貸してあげてほしい」と言う。それで債権者は4000万円と2000万円(いずれも元金)を貸したのだが、結局は騙し取られる格好となった。孫が債務返済をしないまま行方不明となり、韓国に帰国した事実が後日になって判明したからである。孫の紹介者であり連帯保証をした藤牧が実際には孫から受け取る紹介料が目的で孫を債権者に紹介したことも後で分かった。自分が持ち込んだ話で全く無責任この上ないやり方であることは藤牧自身が百も承知していたことだ。
藤牧は、その後、「母より1000万円を借り、他に栃木の土地でカバーする」と約束したが、どちらも反故にしてしまった。それどころか、数年もの間行方知れずとなってしまったのである。
藤牧が失踪して10年以上になる。債権者側が調べて藤牧の所在が判明してからでも6年前後が経っているが、藤牧は「自己破産して免責になっているから、もう関係ない」と弁護士を介して主張しているが、果たしてそれでいいものなのか。何より自己破産は債権者に事前の通告もなく管財人弁護士から突然に知らされたことで、藤牧からは謝罪の言葉もなく、前述したように母親から1000万円を借りて返済の一部に充てるとしたり、あるいは藤牧の友人が栃木に所有している土地を売却して返済すると言って債権者から手付金に当たる500万円を受け取ったまま事実上横領してしまった。完全に債権者を騙した中での自己破産手続きだったのである。不可解なのは、裁判所が何故免責を認めたのか、という点である。藤牧の破産開始手続きを進めた管財人弁護士が債権者に送って来た通知書には「(債権者が)詐欺的な土地の売買交渉を進めることを迫り」とあるが、債権者の関係者によると、「栃木の土地売却の話を持ち込んだのは藤牧自身であり、それ故に債権者は藤牧に500万円を支払った。そうした事実確認を管財人弁護士は怠り、債権者を悪者にしてしまった。裁判所は管財人弁護士の報告を受けて、というより藤牧の言い逃れで主張した虚偽証言をそのまま裁判所に報告したので、藤牧の免責が認められたとしか言いようがない」
前述の管財人弁護士の通知書には、他にも「(債権者が)暴力団関係者らしき野呂周二(注:周介の間違い)に取立を依頼すると申し向ける」と書いているが、野呂周介は種子田益夫が懇意にしており、その関係を藤牧が知らぬはずはなかった。藤牧自身がカミパレスで日常的に石川さゆりと種子田の業務に係るメッセンジャーをしていたから当然であるが、この管財人弁護士の通知からも分かるように、藤牧の虚偽証言をそのまま免責の理由にして裁判所に報告した事実が窺える。
このように、藤牧に対する自己破産開始手続きがあろうと、債権者の債権が免責になるはずはないゆえに、藤牧は責任を免れようはない。債権者の関係者が言う。
「孫からの紹介料欲しさに連帯保証まで買って出て債権者に融資させ、孫の事業が思わしくなくなるや、全責任を負うべき藤牧が破産手続きまでして逃れようとした行為を許してはいけない。しかも免責は全て藤牧の嘘の申告を前提にしているから事実上は無効で、それを承知で関係ないと言っている藤牧は本当に許せるものではない」
藤牧は自分の都合が悪くなると、すぐに弁護士を立てて債権者との面談を拒否する卑怯な臆病者という。
いい加減に逃げ回ることをやめて、直接債権者なり債権者の関係者と接触をして面談の機会を設けてはどうかと思う。このままで済むはずがない状況を、藤牧は自らさらに悪化させようとしていることに早く気付くべきだ。今後は藤牧の家族や身内にも影響が出るのは当然のことである。