佐野等は旧姓を戸井田と言うが、長い間、住所を転々とさせているだけでなく、一度目は結婚した女性の増川姓を名乗り、次いで知人と思われる男性と養子縁組をして姓を変えるという小細工を弄してまで、債権者から逃げ回っている。すでにその状態が20年以上も続いているのだから、呆れるほかはない。
債権者が戸井田が経営するシラーコスミックという会社に2200万円を、さらにその後、戸井田個人にも1000万円を貸し付けたのは昭和62年のことだったが、戸井田は債務を返済しないまま行方をくらませた。
平成10年に債権者が戸井田に返済を求める訴訟を提起し、請求額3200万円と判決日以降の金利を支払う命令を下したが、その後も戸井田は返済の意思を見せないまま逃亡を繰り返した。だが、戸井田の逃亡劇は異常というほかなく、判決から2年後に増川いずみという女性と結婚して増川姓に変え、さらに住所を6回も変更した。そして平成19年には増川いずみと離婚した後に知人の佐野利一という男性と養子縁組をして佐野の姓を名乗るようになった。
この戸井田という人間は頭がおかしいのではないか。おそらく、戸井田が借金をしているのは債権者だけではなく、他に多くの債権者がいるために姓を2度も変え、住所も転々とせざるを得ないと考えているのだろうが、そんなことをしても、自らが負っている債務から逃れることは出来ないし、逆に債務がどんどん膨らんでしまい、その影響が間違いなく彩と亮という2人の子供にも及んでしまうのだ。それが戸井田には何も感じないのだろうか。現に債権者に対する債務はすでに20年以上も放置していたために倍以上に上っている。その責任を負わされる可能性が高いと知った子供たちがどういう反応を示すか、戸井田はまるで分っていない。戸井田はすでに70歳を超えた年齢になっているようだが、いつまでもこのような状態が続けられると思ったら、それは大間違いだ。
戸井田が今、住所登録しているのは都内港区の公営住宅だが、果たして、債権者の関係者がこれまでに何度か訪ねても戸井田本人が住んでいる形跡は不明になっているという。だが、公営住宅であれば、当然、入居条件は公の書類を求められるなど厳しいはずで、債権者だけでなく多くの債権者たちから返す意思もなく不正に騙し取った金でのうのうと公営住宅に住むことは、間違いなく入居の適格性を問われて当然である。今のところは戸井田の周辺で何も起きてはいないようだが、そう時間を置かずに戸井田の正体が広く知られ、身の置き所が全くなくなるような事態になる。その際に、誰一人として無責任で非常識な振る舞いを続ける戸井田を庇うとは思えない。それだけに、娘の彩と息子の亮は、すぐにも父親を叱責してでも真っ当な対応をするよう諌めるのが最低限必要ではないか。そうでなければ、自身がそれぞれに長期の債務不履行という父親の無責任な行為の責めを分担して負わなければならなくなる。2人に残されている時間の猶予はない。
債権者の関係者が戸井田の長男と面談する機会があったが、長男は「姉と相談して父の事には関わらないことにしようと」と言っていたというが、そういう問題ではないことくらい分からないのかと関係者は言う。このまま戸井田の非常識さを放って置けば、その禍根はそのまま子供たち2人に及んでしまうのだ。すぐにも父親と連絡を取って、しっかり責任を果たすように話すことが先決だと思われる。(つづく)